2月17日、広島との強化試合を迎えたが、打線が3安打と沈黙して0対7の惨敗を喫した。WBC担当記者が言う。
「深刻な結果だったにもかかわらず、試合後の監督は、対戦した広島の若手が活躍したことを報道陣に突っ込まれて、思わず笑みを浮かべてしまった。その表情にあきれるチーム関係者もいましたが、山本監督はWBCでの結果を手土産に広島で再び指揮を執りたがっていると言われていますからね。それだけに、浅尾はあっさり代表から落としたにもかかわらず、同じく右肩に不安が残り、調整不足でもあった広島のエース・前田健太(24)を心中も辞さない覚悟で選出し、これには一方的な“広島愛”を感じずにはいられませんでした」
歯車を狂わせているのは監督だけではない。
現役時代さながらに、危険な“ビーンボール”を投じているのは東尾修投手総合コーチ(62)だ。
2月19日、この日は休養日だったが、翌日に行われる紅白戦後に最終メンバーが発表されるため、当落線上にいた浅尾、山井、大隣の3選手が休日返上で室内練習場に入った。
山本監督、与田剛投手コーチ(47)もその様子を見守ったが、そこに東尾コーチの姿はなかったのである。
なんと単身帰京して、娘・理子、そして初孫とともに、相好を崩しながらベビーカーのイベントに出席していたのだ。
「投手陣の中からは『何やってんだ、あの人は!』との怒号も上がり、総スカン状態となっている。エースのマー君(田中将大=24=)もキレたようで、その後、東尾コーチと会話しても目を見ていませんでした。そもそも、これまでの実戦でも、マウンドに上がった投手に『好きにやれ』ぐらいしか言わないので、手腕を疑問視する向きもあった」(前出・NPB関係者)
先のスポーツライターが補足する。
「合宿での練習中も、喫煙ルームからタバコをプカプカ吹かしながらグラウンドをのぞき込むものだから、文字どおり煙たがられていましたね。一方で、前回大会では『腕を組んで見ているだけ』と揶揄もされていた与田コーチが、今回は熱心に声をかけて投手陣を見ているため信頼を集めている。監督の頼りなさも手伝ってか、中心選手からは『これは与田ジャパンだ』などという冗談まで飛び出しています」