首脳陣のチグハグさを前に、浩二ジャパンのスタート早々に指名されたキャプテン・阿部慎之助(33)は、チームをまとめるためにアレコレ気を配っているようだ。
「18日には、代表候補33人の選手を集め、焼き肉店で決起集会を開きましたが、50万円は下らない会計を当然のように1人で受け持ったそうです。ちなみに、阿部は焼き肉店に33人前のギョウザも持ち込んでふるまった。しかし、4年前には野手の決起集会で、岩村が豚しゃぶ店に持ち込んだのが、地元・宇和島の豪華な『戸島一番ブリ』だったこともあり、一部選手から『ギョウザっていうのもなぁ‥‥』と失礼な声も出ていた」(民放局関係者)
いずれにせよ、チーム内での影響力は計り知れない。ただでさえ4番でキャッチャーという重責を担うだけに、阿部ばかりに負担をかけるわけにはいかないと、後輩・長野久義(28)が奔走しているという。
「先の決起集会でも長野が焼酎をボトルで一気飲みして場を盛り上げたそうですが、2日後に山本監督のポケットマネーで開催された選手、スタッフ全員参加の決起集会でも長野が中心になって首脳陣に一気飲みをさせたといいます。そして、『コージ』や『トンビ』などと呼び捨てでコールを浴びせて“融和”を図ったそうです。長野は決起集会のみならず、セ・パ隔てなく選手を連れ出してはコミュニケーションを取っている。ただし、酒席が深夜に及ぶことも多いようですが‥‥」(スポーツ紙デスク)
夜の活動ではチームも一つになっているようだが、それでもいかんせんグラウンドレベルでの不安は尽きない。一番の懸案事項は、なじむのに苦労している投手が多い、WBC使用球の問題である。
「初めてボールを手にした阿部が『うわ~滑る。やべ~』と口にしたほど。今回、メジャー出身の投手は参加していませんが、使用球はメジャーの公式球に近い。『せめて上原さんや斎藤隆さんでも呼んでいたら、コツだけでも聞けたのに‥‥』と選手から恨み節が出れば、『正直、人選に失敗した』とまで口にするスタッフもいた」(前出・スポーツライター)
怒りの矛先は、意外な人物にも向けられている。加藤良三コミッショナー(71)だ。
「11年シーズンから賛否両論の統一球が導入されたのは、国際大会に合わせるためだったはず。なのに、ボールに対応できない現実があるとは本末転倒ですよ。監督人事のお粗末さもあったし、加藤コミッショナーの責任は問われてしかるべきでしょう。対応に苦慮する投手は気張って投げるせいで二の腕が張って、『時限爆弾だ』と嘆いている」(前出・NPB関係者)
とはいえ、嘆いてばかりもいられない。本番はもう目の前である。