もはや人気だけが先行して実力が伴わない、“半価値王子”と言われかねない。そんな日本ハム・斎藤佑樹(24)は二軍でくすぶるばかりか、チーム内で総スカンのようだ。
7月30日に一軍登録を抹消されて以来、8月25日のヤクルト戦で自己ワーストの6回11被安打7失点でKOされるまで、投げれば打たれるの火だるま状態で、ファーム4連敗を喫した。
球界関係者が語る。
「二軍落ち前の斎藤は、とてもではないが今季の開幕を任されたレベルの投手ではなかった。とあるライバル球団の打者は『あんなバッティングピッチャーみたいな球を打ち損じたら恥ずかしい』と口にし、楽天の星野監督はオフレコで『球を投げているだけの投手』とコキ下ろすほど精彩を欠いていました」
6月6日に5勝目をあげて以降、勝ち星から遠ざかり、プロ入り初となる、不振を理由とした降格も当然の流れだった。
春先の斎藤は好調で、5月4日までに4勝を稼ぐなど、上々の滑り出しだったが、調子がガタ落ちしたのには理由があるようだ。
「生来の練習嫌いが原因でしょう。昨年、吉井投手コーチが、『あんなに練習しない選手は初めて見た』と言っていたのが象徴的な話です。キャンプで強制される走り込みはしても、自主的にはやらない。だから春先はキャンプの“貯金”で下半身が安定して、球にスピード感もあったから、低めの変化球の出し入れで勝負ができた。ところが、貯金が尽きれば、先輩・武田勝のように出どころが見えない左投手といった強みもないから、単なる球の遅い並の投手になってしまう。それなのに、ファームでも『今は走り込む必要ない』などと言って、ウエートトレに力を入れているから迷走している」(球団関係者)
練習嫌いは、昨年の早い段階でダルビッシュ有(26)に見抜かれ、距離を置かれるきっかけにもなったという。また、かつてはライバルと言われた楽天・田中将大(23)ともすっかり差がついてしまったようだ。
「ダルビッシュと親しい田中は、今年のオールスター期間中、『だからアイツはダルさんに嫌われるんですよ』と周囲に話していた。その球宴ではパの先発投手部門でファン投票1位に選ばれた斎藤ですが、主役のはずがグラウンドでは田中ら同世代選手の輪に入れず、孤立していました」(スポーツライター)
あまりにマイペースな斎藤は、二軍でも浮いているという。
「結局、調整のために1週間に1回は斎藤が先発マウンドに立つ。下には3、4年の計画でじっくりと鍛えられている投手もいるから、彼らにとっては登板機会を奪う邪魔な存在となっている。8月19日には宮城の南三陸町で斎藤が先発しましたが、本来は別の投手が登板する予定だったのを復興支援試合ということで、人気の高い斎藤を登板させたようです。ある選手は『何であんな人のために‥‥』と不満を述べていた」(前出・球団関係者)
早く一軍に上がれればいいが、その気配もない。
もっとも、激しい優勝争いを続ける一軍からは斎藤不要論まで聞こえる始末だ。
「斎藤は一軍で裏方さんに尊大に見える態度で接することも多かった。現在の状況に『戻ってこなくていい』と言う裏方さんすらいます。そればかりか、チームメイトの口から『アイツ抜きで優勝しよう』との言葉まで聞こえている」(前出・球界関係者)
崖っぷちに立たされた斎藤は、まだ起死回生を起こせる何かを“持っている”のだろうか。