日本男子ゴルファーで初のメジャー制覇に挑む松山英樹(25)の陰で、同級生ライバルの石川遼(25)が米ツアーシード落ちの大ピンチを迎えていた。
4大メジャーの初戦マスターズ(米ジョージア州オーガスタ・ナショナル)が4月6日に開幕し、松山は11位に散った。しかし、6月の全米オープン、7月の全英オープン、8月の全米プロでの日本男子メジャー初制覇へ向け、期待の持てる戦いぶりだった。
米国在住のスポーツライターが振り返る。
「3日目の18番で4パットし、優勝圏外に去るも、最終日はベストスコアをマーク。世界ランク4位(4月17日現在)の実力を示し、地元ファンをうならせた」
そんな「世界奪取間近」の活躍をじくじたる思いで見ていたのが、世界ランク最高位・29位(09年12月5日)の石川だという。民放スポーツ担当記者が話す。
「石川は09年にプロゴルファーとして、史上最年少でマスターズに初出場。2度目の挑戦の10年、オーガスタの地に2階建7LDKの一軒家を約3000万円で購入しています。理由は、片田舎のため拠点探しに悩まされるから。マスターズの時期は通常1泊100ドルのホテルは500ドルに跳ね上がりますからね。それで遼パパが『毎年のように来るんだから』と即断。ゲートには係員がいて治安もよく、会場まで車で15分ぐらいだし、毎年2週間の滞在費を考えれば安い投資というわけです」
しかし、13年から米ツアーに主戦場を移したが、14年から4年連続でマスターズの出場資格は取れずじまいで、「拠点」は空き家に。世界ランクは123位(4月17日時点)まで落ち、米ツアーのシード落ちの大ピンチを迎えていた。前出・スポーツライターが解説する。
「15-16年シーズン、石川は2月から腰痛のため休んでしまいました。昨年10月にスタートした今季は公傷制度を利用し、メジャー以外の20試合までの参戦が認められてます。4月17日時点ですでに12試合を消化。初戦10位タイで好スタートを切るも、その後は予選をクリアしても、50位、50位、20位、37位、69位と振るわず、厳しい状況です」
昨年のシード権ラスト125位の獲得賞金額が65万5788ドル。これをボーダーラインとすると、石川がシード権を得るためには残り8試合で36万6729ドルも稼がなくてはならない。
「もちろん悲願の初優勝となれば、一発でクリア。しかし、ここ3試合は予選落ちと、明らかに調子を崩してる」(前出・スポーツライター)
シード落ちとなれば入れ替え戦に回る。下部ツアー選手たちと4試合戦い、トータルポイントを競うことになる。もはや、松山との落差は埋めがたいものなのだ。
「これがまた厳しい戦いです。米ツアーの規則が改定され、世界を対象にした予選会ルートからのメジャー入りがなくなり、まず下部ツアーからスタートになったため、若き実力者たちが腕を撫して挑んでくる」(前出・スポーツライター)
撤退どころか、米ツアー断念の屈辱一歩手前なのである。