菅田将暉や山崎賢人といった若手俳優の「脱制服」に騒然となっている日本の映画業界。彼らは少女コミックを実写化した、いわゆる“キラキラ映画”の常連組で、女性ファンを中心に熱い支持を得てきた。ところが今、その“キラキラ映画”に転換期が訪れているのだという。
「興収60億を超えた『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』をはじめアニメは好調ですが、今年は単品で話題をさらったと言える“キラキラ映画”は今のところありません。少女コミック原作の映画の主なターゲットは高校生を中心とする10代になり、どうしても幅広い客層を取り込めませんし、顔ぶれが固定化されつつあるため、作品内容が違っていても新鮮さに欠けるのが現状です」(映画ライター)
例えば中川大志は2月公開の「きょうのキラ君」と4月公開の「ReLIFE リライフ」に主演。野村周平は3月と5月に前後編で公開された主演作「サクラダリセット」に加え、4月の「帝一の國」、6月の「22年目の告白‐私が殺人犯です‐」にも出演しており、3~6月まで4カ月連続で登場している。昨年9本の映画に出演した菅田将暉は2月の「キセキ‐あの日のソビト‐」と「帝一の國」に主演し、今後も又吉直樹の芥川賞受賞作を映画化した「火花」を含め3本の出演作が年内に公開される。
「彼らが多くの映画に起用されるのは、それだけ人気と魅力がある証明ですが、観客は食傷気味になっているのではないでしょうか。毎月のように公開され続けるペースにも原因があると思います」(前出・映画ライター)
若手俳優が自分のイメージを変えていきたいと思うのは当然のこと。多様な作品に出演して演技力を磨くためにも、制服姿で「恋愛」「青春」を演じることからはそろそろ卒業したいというのが本音かもしれない。