9月21日の横浜では、巨人の優勝試合の開始に先立ってもうひとりの「名将」が怪気炎を上げていた。落合博満の「オレ流講演会」である。
「今日も週刊誌やらマスコミの人がいればね、落合がどこの球団が誰を獲るとか(言ったと書くんだろう)。今年は野球も終わりですから。だって何日か後にはジャイアンツ優勝するでしょ?」
落合博満元中日GMの今年2回目となる横浜市内開催の講演会は、そんなふうに「ペナント終了後」の話題から始まった。落合氏はぶっきらぼうな調子でこう続ける。
「ドラフトで誰に行くって言われても、わかんないです。見てない。誰を獲るかというのも、チーム事情を見てどうするかというだけのこと」
期待させておいて裏切る。トークにおいてもさすがは“オレ流”だ。一転、CS(クライマックスシリーズ)~日本シリーズのポストシーズンに話題が及ぶと、明言は避けつつ、しかし鋭い分析を忍ばせるワザを繰り出す。
「どうなるかわかりません。今年はどのチームもあまりにも連敗が多い。逆にいい状態の山がここに来れば、1位のチームも食っちゃうんじゃないのかな。どこも軸になるピッチャーがいないんです。せいぜい千賀(ソフトバンク)か。楽天は誰? 西武は? 名前が出てこない。セ・リーグはどこ勝つかな~。…巨人ファンの人は耳塞いどいてね。使えるピッチャー、ということでは横浜のほうが巨人よりいいかもしれない。この間今永(DeNA)が打たれたけど(9月19日に広島戦で4回7失点降板)、それがいい薬になることもある。ファーストステージの広島戦で勝ち上がったら横浜は怖い存在になる」
現役時代同様、話は広角に乱れ飛んだ。10月1日発売の週刊アサヒ芸能10月10日号でその全容を詳報している。