起業家の堀江貴文氏が7月12日放送の情報番組「ごごナマ」(NHK)で着用していたTシャツを巡り、騒動が起きている。堀江氏は同日の生放送で、アドルフ・ヒトラーを想起させる肖像画が描かれたTシャツを着用。これについて番組では終盤に「戦争反対を示す『NO WAR』という文字や反戦のマークが入っていました。しかし『ヒトラーを想起させる』というご意見をいただきました。不快な思いを抱かれた方にはお詫び申し上げます」と謝罪していた。
このTシャツを巡って堀江氏のツイッターには、批判のメッセージが殺到。ここで堀江氏は「平和を祈念しているメッセージTシャツにしか見えないだろこれ笑」と反論し、自身への批判に対しては「シャレわかんねー奴多いなあ」「事なかれ主義の馬鹿め笑」などと反論したのである。
この騒動はすぐにAP電として世界に向けて発信。欧米各国で数多くのメディアに転載されている。そのタイトルは「Japan TV sorry over Hitler T-shirt worn by talk show guest」(トークショーのゲストが着用したヒトラーTシャツで日本のテレビ番組が謝罪)というもの。この記事について海外事情に詳しいライターが解説する。
「この記事では堀江氏の名前やツイートを紹介しており、Tシャツを着ている画像が世界に向けて発信された形です。記事の内容は堀江氏個人を批判するものではなく、西洋に比べて日本はヒトラーやナチスに関して鈍感であるという論調で展開。日本銀行の審議委員が6月29日にヒトラーの金融政策について語った件も紹介しています」
その審議委員の発言に対しては6月30日、米国のユダヤ人人権団体が「発言を深く憂慮する」との声明を発表。同団体では日本人アーティストが着用したナチス風の衣装に反対する声明を発表したこともあり、公人か私人かを問わず、ヒトラーやナチス賛美に繋がる発言を注視している。果たして今回のTシャツ騒動は海外でも広まるのか。次なる展開に注目が集まりそうだ。