連日の暑さとちまたで流れる艶々なCMに、世のオトコたちがのぼせ上がっている。視聴者の目を釘づけにしてこそ名CM! とはいえ“寝技ファースト”も度が過ぎれば批判の的になるのが関の山。芸能美女が濃厚サービスを繰り出して放送中止に追い込まれた幻のCMを一挙に再放送する!
まずは宮城県が観光促進のために制作した、7月5日公開の映像を見てみよう。「涼・宮城の夏」と銘打たれた動画は、壇蜜(36)扮する伊達家家臣の末裔・お蜜が宮城で殿方をもてなすという趣向だ。
涼しげな着物姿の壇蜜が、
「宮城イ・ッ・チ・ャ・ウ」
と唇をアップにして色っぽくささやくと、ご当地マスコットキャラ・むすび丸がいきなり鼻血ブー。
「肉汁トロットロ」
と、仙台名物・牛タンを官能的に提供されると、もはやメロメロ状態だ。
しかし、壇蜜の濃厚接待はここからが真骨頂だ。龍宮城への案内役となる亀を見つけた壇蜜は、
「亀さぁ~ん、上乗っていいですか?」
亀の頭をスリスリなでつける。亀は喜色満面の赤ら顔で、タラララッタラ~とラッパの音とともにビヨーンと肥大化。さらに、亀にまたがった壇蜜は、
「気持ちいいですか~」
と“亀上”の人となって青空を滑空する。
とどめは「アッ!」と、吐息をつき、「という間にイケちゃう」と意味深なままに2分半ほどの動画を締めくくるのだ。
公開されるや、市民などからは「性的な表現が含まれ不快」などと苦情が寄せられ、ついには“身内”である仙台市の女性市長からも「素直に受け止められない」と抗議を受けた。
これに対し、この動画にも出演する村井嘉浩宮城県知事は、「賛否両論があったが、アクセスは急増している」と批判の声を一蹴し、「公開継続」を宣言した。
スポーツ誌芸能デスクが裏事情を明かす。
「動画公開日の発表イベントには、知事みずからが出席。浦島太郎のコスプレ姿で壇蜜からずんだ餅を食べさせてもらうなど、やりたい放題でした。批判されて炎上してもPR動画を中止しないのは、この秋に予定されている知事選で4選を目指す自身のための自己PRでは、という批判的な声も一部から上がっている」
自治体PR動画に詳しいぐろ~かるCM研究所・高野義昭所長が断ずる。
「税金を投じて作っても再生回数が1000回もいかない動画が多い中、この動画はすでに200万回以上も視聴されたという意味では成功しています。しかし、動画自体の評価はこの種の自治体動画にしては類例がないほど『低評価』が多く、注目度は高くても宮城県のブランドイメージの向上にはつながらない。特に、頭をなでられた亀が大きくなるところは性的すぎる。また、こうした炎上商法に便乗する村井知事の姿勢にも問題があると思います」
お色気艶技に便乗した一石二鳥のPRは吉と出るか、凶と出るか。