「そもそもイチローが日本球界に復帰するとしたら、オリックスしかないと言われてきた。いまだに当時のグッズ契約は残し、オリックス生命のCMにも出ていますからね」(球界関係者)
A氏を起用した球団のもくろみが当たり、交渉当初から腹を割った話し合いができているという。
「交渉役が代わり、イチローの態度が以前に比べて軟化したようで、『もうそろそろ日本に帰ってくる潮時じゃないか』と、説得したと聞いている。そしてイチローも、前向きに話を聞いているといいます。さすがにまだ契約にまでは進んでいないものの、細かい調整に入っていることから、A氏は相当自信を深めているようです」(球界関係者)
イチローの復帰気配にさっそく球界は色めきたっている。手始めに、「ボールパーク構想」で球団と蜜月の京セラドーム大阪を有する株式会社大阪シティドームの動きが慌ただしい。
「同社の湊通夫社長が急遽、ドーム照明の改修工事を打ち出したんです。選手から『照明が暗い』と苦情が寄せられている事情もありますが、入札事業になり、10億円以上かかる。正直言って、今のオリックスには、それだけのことをやるメリット、価値は非常に薄いのですが‥‥」(全国紙在阪経済担当記者)
それでも、7月初週、すでに5社によるプレゼンが行われている。
「湊社長は工期を急いでいます。2月はシーズンオフで他イベントでの使用も少ないため、『(来年2月に)工事をやる』と断言している。実は湊社長は球団の専務も兼務していることもあり、“極秘情報”を共有しているからこその英断です。イチローが復帰すれば10億円なんて3日で回収できますから」(前出・球団関係者)
さる球界OBは、イチローが移籍条件を提示した可能性もある、と前置きしてこう明かす。
「02~03年、中日の監督を務めていた山田久志氏(69)が、オリックスコーチ時代からかわいがっていたイチローと秘密裏に交渉していた。日本球界に復帰する際には中日に、といった内容です。イチローは山田氏に心酔していたし、愛知県出身ゆえ幼少期からの中日への憧れもあって、『いつかは中日のユニホームに袖を通したい』と口にはしていました。結局、当時は合意には至りませんでしたが、イチローはナゴヤドームの芝を張り替える条件を出したんです。今回の照明の工事で、打球の見やすさに大きな差が出ることは言うまでもない。守備でリズムを作る以上、視力の衰えが伝えられるイチローにとって重要な条件でしょう」