マスコミ泣かせで知られる松山だが、「参謀」でもある進藤氏に対しても、その秘密主義が徹底していたというのだ。スポーツ紙記者も首をかしげる。
「昨年5月にはリオ五輪の代表スーツの採寸があったが、なぜか極秘帰国。日の丸を背負うことを決めたのであればニュースになるのにもかかわらず、マネージメント会社からはマスコミに対して、『帰国報道をしないでくれ』と異例の通達でした。松山が隠密行動となれば、進藤キャディーにだってよけいな気遣いが生じるのも無理はない」
松山の“隠し事”は、それだけではない。記者が続ける。
「昨年11月に行われた地域別対抗戦『ワールドカップ』の指名騒動。パートナー指名権を有する松山が『最初に石川遼に声をかけた』という旨の一部報道があったが、実は水面下で大学の先輩の岩田寛、谷原秀人、そして池田勇太の順だった。あるOBが池田の賞金王を祝福した席で『(W杯を)断って(国内ツアーに専念して)よかったな』と明かしてしまったことで、石川が4番目だったことが発覚した。松山流の石川への気遣いだったようだが、進藤キャディーも東北福祉大OBだけに裏事情が筒抜けで気まずい思いをしていたはずです」
さらにはゴルフ界ではご法度の契約メーカー以外のクラブ使用も、神経を遣う出来事の一つだという。スポーツライターが話す。
「ドライバーの他社のエンブレムを黒く塗り潰していることは、周知の事実。松山は契約に触れることはないので公表していないが、進藤キャディーは受け渡しの時に注意を払っている。テレビ中継されていれば、より慎重になる」
もはや松山の“オレ流”気ままぶりはエスカレートするばかり。
「彼は試合日以外の起床時間を決めないタイプで、時には10時間以上も寝ている。そのため練習日の取材であれば、マスコミは朝から現場入りしてずっと待機することもある。米国のメディアが称賛する試合後の居残り練習時間も、その日の気分しだいだけに、進藤キャディーにも負担がかかります。これが国内であれば現地解散できるので問題ないですが、生活を共にしている以上、そうもいきません(苦笑)」(スポーツライター)
今後の「チーム松山」について、冒頭のディレクターはこう見ている。
「松山が大ちゃんを引き留めると思いますが、過去の助っ人キャディーと連絡を取っているという話も聞こえてきます。オフの話し合いしだいで、『新チーム松山』結成もありうる」
ゴルフジャーナリストの宮崎紘一氏も苦言を呈する。
「来季のメジャー制覇に進藤キャディーは欠かせない存在です。『松山の活躍の裏に進藤あり』と、誰もが思ってますよ。それだけにメジャー4戦だけでも、進藤キャディーがスポット参戦してほしい。同じ舞台で行われるオーガスタであれば過去の経験がものをいうし、初会場のメジャー戦でも、彼の情報収集力や松山の戦い方を熟知したキャディーぶりがここ一番で力になるはずです」
松山のベストパートナーの去就が、今後の松山自身の選手生活を左右することになりそうだ。