団塊の世代にとっては青春のひとコマを彩っただろう懐かしい名曲「カントリー・ロード」が、11月15日公開のイギリス映画「キングスマン:ゴールデン・サークル」と11月18日公開のアメリカ映画「ローガン・ラッキー」の挿入歌として立て続けに復活する。
1971年にジョン・デンバーによって発表されたこの曲は、ウエストバージニア州の美しい風景に思いを馳せる郷愁を歌い、全米で大ヒット。元の曲名は「故郷に帰りたい」で、73年にオリビア・ニュートン・ジョンによってカバーされ、イギリスでも大ヒットとなった。日本でも70年代に「カントリー・ロード」の名で親しまれ、95年のジブリ映画「耳をすませば」では主題歌になっている。長年、愛され続けてきたフォーク&カントリーミュージックだが、では今、なぜ映画に多用されているのだろうか。
「実は2014年にこの歌はウエストバージニア州の4つ目の州歌に認定されて新たに注目を浴びました。世界に通用する曲であり、かつ世代を超えて愛唱されてきたことも、かつて大ヒットした英米の両国で作られた最新映画での起用に至った理由と考えられます。『キングスマン:ゴールデン・サークル』では、前作『キングスマン』からの名物キャラクター、マーリンの愛唱歌が『カントリー・ロード』であることが明かされ、クライマックスで彼がこの曲を歌う場面は、作品の大きな見どころになっています。一方のスティーブン・ソダーバーグ監督の娯楽作『ローガン・ラッキー』では、主人公ジミーと別れて暮らす幼い娘のセイディを結ぶ父娘の絆の歌として登場します。セイディが美少女コンテストで、この歌を父に捧げて歌い上げるシーンは実に感動的です」(映画ライター)
国や時代を超えて愛されるスタンダード・ナンバーが州歌に制定されたことでも再注目され劇中挿入歌に採用されたという2つの最新映画。名曲の感動を再確認し、余韻に包まれてみてはいかがだろうか。