スラッガーの定位置である一塁と三塁には、巨人の二大ベテラン、阿部慎之助(38)と村田修一(36)が収まった。
「阿部は巨人が勝つ時には打っているから目立たないけれども、2割6分の15本という数字で4番を務める以上、チームがBクラスなのも当然。この打率なら最低30本打ってもらわないと周りがキツい」(広澤氏)
また、同じ「巨人の4番」の経験者としても、愛ある檄を飛ばす。
「彼らの“センターオーバーのシングルヒット”を東京ドームで何度か見ました。2人だけじゃなくジャイアンツの選手全般に言えることですが、練習不足だと思います。ケガを防ぐ名目で全力疾走を抑えているのかもしれませんが、走り込みしないとよけいにケガしやすくなるわけで、本末転倒だと思うのですが‥‥」
かつての球界きっての長距離砲コンビも、本塁打価格はそろって1本1500万円以上。いくら金満球団といえども2人の高額給与は荷が重すぎたのか、村田は自由契約となった。
外野に目を向けると“5タコ王”にもランク入りの長野久義(32)、無謀なヘッドスライディングで戦線離脱した中日のチームリーダー、平田良介(29)の姿が。そしてセンターでは、本来は内野手である西岡剛(33)が異彩を放っていた。
「アキレス腱断裂からの復帰後、『どこでもやります』と外野コンバートを直訴したのですが、実際に守らせたら、7月20日の広島との首位攻防戦など、大事な試合でエラーを連発。守るところがないんです」(スポーツ紙記者)
全盛期に比べて年俸も減ったが、今季21安打の体たらくではワーストナイン入りもやむなしだろう。
扇の要たる捕手は、満場一致で巨人の小林誠司(28)に決定。今春のWBCで大活躍し、G党の期待も高まったが、蓋を開ければ規定打席到達者の中で最低の打率2割6厘を記録した。
「近代野球では、下位打線の重要度が増している。特に指名打者のいないセでは、捕手が打てないと8番、9番で打線が完全に分断されてしまう。肩の強さはすばらしいが、今のままではダメ」(前出・広澤氏)
肝心のインサイドワークについても、まだまだもの足りなさが残るという。
「捕手は、エース級でない投手をどこまでうまくリードできるかが肝心。巨人は菅野智之(28)、マイコラス(29)、田口麗斗(22)の三本柱で貯金が25もあるのに、他の投手の負けでそれを食いつぶしています」(前出・広澤氏)
来季のAクラス復帰は小林のリードにかかっているようだ。