グラウンドの成績にかかわらず、球団に「危険分子」と見なされてクビになるケースは少なくない。6月に球団ワーストの13連敗を喫した巨人には、素行・言動面でのワーストナイン候補もめじろ押しだ。
筆頭はやはり山口俊(30)だろう。7月に都内の飲食店で酒に酔って商売道具の右手甲を負傷し、訪れた病院のドアを破損。警備員にケガをさせ、傷害と器物破損の疑いで書類送検されたが、一時は契約解除の可能性も浮上した。山口が深い反省の意を示したことと、30歳という若さを考慮し、この処分にとどめた。
山口は8月末に練習を再開し、騒動は一区切りついたと思われたが、その後、事態は思わぬ方向に‥‥。スポーツ紙記者が解説する。
「労組日本プロ野球選手会が巨人に対し、『1億円以上の制裁金は明らかに重すぎる不当なもの』と抗議したんです。そればかりか、巨人が山口に対してクビをチラつかせて複数年契約の見直しを迫り、減額に同意させたという“新事実”まで暴露。処分の再検討を求める要請書を提出しました」
一方の巨人側は、「処分内容は妥当」とする文書をプロ野球実行委員会に提出。これに対し、選手会は直接交渉を求める文書を巨人に提出し、抜き差しならない状況に陥ってしまった。
「山口当人は、これ以上騒がれるのは本意ではないようです。選手会が最初に提出した要請書についても、本人は『知らなかった』と話しています。事件当初、巨人との交渉窓口を選手会の弁護士に依頼していたため、選手会側の“厚意”が先走ってしまった形ですね」(前出・スポーツ紙記者)
加えて、巨人サイドが態度を硬化させたことも気にしているという。
「実際に球団内部では、無償トレードでもいいからやっかい払いしたほうがいいという意見もある。日本シリーズ終了後に何らかの動きがあるかもしれませんね」(球団関係者)
山口とともにFA入団した森福允彦(31)も大きく期待を裏切った。中継ぎの切り札として起用されたものの結果が出せず、シーズンの大半を2軍で過ごした。ところが、球団内では、「不振程度で済んでよかった」という声もあるという。夕刊紙デスクが嘆息する。
「表ざたにはなっていませんが、ソフトバンク時代から素行面で問題があった。女性トラブルで球団から厳重注意されたり、キャバクラで店側と揉めたせいで、ホークス全体が出入り禁止になったことも。今季はそのテの話は聞こえてきませんが、7月の広島戦で打ち取った打者に対してマウンドから中指を立てることもあった。相手のヤジに腹を立ててのことらしいのですが、眉をひそめる球団関係者は少なくありません」
生え抜き組にも素行面で問題を抱えたナインがいる。坂本勇人(28)と澤村拓一(29)だ。
7月にキャバクラでの蛮行を写真誌に掲載された坂本。隣についたキャバ嬢に終始「ゴキブリ!」「ブス!」などと暴言を吐き続け、あげくに、そのキャバ嬢をホテルに誘って断られたというから、「紳士たれ」をモットーとする球団の主将としてはいただけない。
1億5000万円もの年俸をもらいながら、1軍登板ゼロに終わった澤村も「要注意人物」の扱いを受けている。
2月のキャンプで右肩の不良を訴えて以降は長期のリハビリに費やしてきた。ところが9月に入り、球団が「右肩を痛めたのは球団トレーナーによるハリ治療が原因」と認め、球団社長とGMが澤村に謝罪するという異例の展開に。
「ファンから同情を買った澤村ですが、チーム内での反応は真逆。悪態ばかりついて、これまで世話になってきたトレーナー陣をかばう姿勢を見せない澤村の態度が、ナインの怒りを買っているんです。コトの経緯から、球団も澤村放出という選択は取りづらいでしょうが、チーム内での彼の立場は厳しくなっています」(前出・夕刊紙デスク)