11月5日に公表された「パラダイス文書」を巡って、「ドラゴンボール」などのヒット作で知られるマンガ家の鳥山明に注目が集まっている。鳥山にはアメリカの不動産に出資することで“税逃れ”した疑惑が指摘されており、本人は「税務面は第三者に任せているため自分から話せることはない」と釈明している。
その鳥山にはこれまでも、莫大な印税収入を巡っての噂がいくつも立ち上っていた。その「伝説」について、マンガに詳しいライターが振り返る。
「最も有名なのは『鳥山ロード』でしょう。これは愛知県在住の鳥山が群を抜いた高額納税者だったことから、鳥山のご機嫌を取るために地元の自治体が鳥山邸から名古屋空港(当時)まで直線道路を敷いたというもの。ただ該当するような道路は存在せず、これは都市伝説だと言われています。その派生形として、鳥山が住んでいた町が(現在は合併で市に昇格)、鳥山邸の前に立派な道路を作ったという話もありますね」
世間には有力政治家のために道路や駅を作ったという話は珍しくなく、鳥山にも同じような噂が立ったのも無理はない。ただ道路を敷くには相当なコストがかかり、鳥山が納める税額を上回ってしまうはず。さすがに一個人のために道路を作ることはありえなさそうだ。
「ほかには『引っ越し』にまつわる伝説もあります。『Dr.スランプ』の大ヒットで鳥山の収入が激増した当時、納税などの手続きは担当編集者が行っていたとか。その担当者に対して税務署から『この経費は認められない』といった指示が入った時、修正には従うが、その代わりに鳥山を引っ越しさせるとタンカを切ったそうです。すると莫大な住民税が得られなくなることを危惧した税務署側が、修正指示を引っ込めたと伝えられています」(前出・マンガに詳しいライター)
税務署がそのような対応をするとは、とても思えないが、そんな噂が立つほどに鳥山の収入が莫大だったことだけは確かなようだ。
(金田麻有)