名、場所を替えて4年目となるチャンピオンズカップが今週のメインだ。
国際レースではあるが、外国馬の参戦はない。しかし、左回りで直線の長い中京に場所を替え、しまいの攻防は目まぐるしい。レースそのものは激しさを増しておもしろくなっており、実に見応えがある。それだけに馬券的には難解ではあるが、魅力あるGI戦だ。
特に大きく抜けた存在は見当たらないが、顔ぶれは多彩で豪華。アウォーディー、グレンツェント、ケイティブレイブ、コパノリッキー、ゴールドドリーム、サウンドトゥルー、テイエムジンソク、ノンコノユメ、ミツバ、ロンドンタウンといったところが有力候補として名があがっているが、伏兵陣も含めて力にそう大きな開きはなさそうで、つかみどころがない。
よって、前述したように難解ゆえ、馬券的には実にそそられるGI戦である。
ジャパンCダート時代を含めて、まだ18回目と歴史の浅いGI戦。これまでの17年間で5歳馬は半数の8勝(2着6回)、6歳馬は4勝(2着5回)。充実期を迎えた5歳、6歳馬と、古馬が優位であることは確かなようだ。それでも勢いに乗って、これからという3歳、4歳馬も差はなく、近走の成績をつぶさに分析、そして仕上がり状態を見極めることは馬券戦術上、かなり重要と言えそうだ。
馬券的には馬単が導入された02年以降のこれまでの15年間、1番人気馬は5勝(2着4回)に対して、2番人気馬はわずか1勝(2着0回)。それでいて馬単での万馬券は5回(馬連4回)のみ。大きく荒れるということはないが、一筋縄では収まりにくい中波乱のGIであることが見て取れる。
しかも今回は有力どころが多く、混戦模様。大きく荒れることはなくとも、簡単には決まりそうにない。
悩むところだが、穴党として期待を寄せたいのは、モルトベーネだ。
休養後の前2走は【11】【5】着と期待外れの結果だったが、使われて3戦目の今回は中間大幅な良化ぶりを見せている。ふだんの雰囲気がよくなっており、稽古での動きも体全体を使って実に滑らか。本来の姿が戻ったことで、厩舎関係者は「気持ちが前向きになっており、前2走とは違う。体重も増えて、ほぼ全力を出せる状態」と口をそろえ、ヤル気をにじませる。
ならば、チャンス十分だ。中京での勝ち鞍はないが、1月のGII東海Sでグレンツェントの僅差2着がある。当時は休養明けで、今回のほうが期待が持てるというものだ。
近親にこれといった活躍馬はいないが、アークティックヴェイル(愛セントレジャー)など、一族に欧州で名を成した馬が多く、血筋はいい。1800メートルの距離はベスト。大きく狙ってみたい。
逆転候補としてあげたいのは、キングズガードだ。こちらは休養後の前2走、【3】【3】着と状態を上げてきている。
「6歳ですが、年齢的な衰えが見られないどころか、使うたびに体重が増えてきたように、今が最盛期」
とは寺島調教師の弁。
中間の稽古の動きは実にリズミカルで、仕上がり状態のよさが伝わってくる。
こちらはホリノウイナー(東京新聞杯)、タカノカチドキ(京都4歳特別)、そしてスズパレード(宝塚記念)などの活躍馬が、近親、一族にいる筋の通った血統。一票投じてみたい。