12月4日放送の漫才日本一決定戦「M-1グランプリ」にて、結成15年目のとろサーモンが優勝した。その最終決戦では2年連続で和牛が準優勝に終わったのはおかしいと、審査員の判定を批判する声も根強い。だがコアなお笑いファンからはそれ以前の問題として、決勝戦の進出メンバーそのものがおかしいとの声もあがっていたようだ。
「決勝進出者9組のうち、グレープカンパニー所属のカミナリ以外がすべて吉本所属の芸人。さらに敗者復活戦でも吉本所属のスーパーマラドーナが勝ち抜く有様で、吉本びいきが露骨過ぎると批判されていたのです。確かに吉本芸人が質・量ともに抜きんでていることは否定できないものの、ミキを含めた最終決戦進出の3組がすべて吉本芸人となれば、違和感をぬぐえない人が多かったのも当然でしょう」(お笑い系ライター)
この調子では吉本の勢力が拡大するばかりで、東京のお笑い事務所が窮地に陥るとの危機感も伝わってくるという。それゆえ東京勢も指をくわえているわけにはいかず、お笑いタレントを数多く抱えるホリプロやナベプロ、太田プロや人力舎などが主導して、新たなお笑いコンテストを開催しようとする動きもあるようだ。
「ただ残念なことに、肝心のテレビ局が後ろ向きなようなのです。いまや吉本の所属芸人抜きではバラエティ番組を制作することは難しく、結局は吉本に“忖度”せざるを得ないようですね。ホリプロやナベプロは自社に番組制作の部署を抱えるものの、吉本排除のリスクを取るのはさすがに難しいのかもしれません」(テレビ業界関係者)
このまま吉本の一強時代は続くのか。お笑い業界にも今流行りのダイバーシティ(多様性)が求められているのかもしれない。
(浦山信一)