「イチロー2世」を目標としているというブリュワーズ・青木宣親(30)のアップ率は日本人トップだ。
「レネキー監督が来季の『開幕1番・ライト』をすでに明言するほどで、低落していた日本人野手の株を上げました。つたない英語でどんどん話しかけ、チームにも溶け込んでいます」(メジャー担当記者)
今季の年俸は8000万円だが、10倍以上の貢献度だったと友成氏は言う。
「WAR3・3はナ・リーグの新人野手では2位。出塁率も高く、トップバッターとして最高クラスです。走攻守三拍子どころか、長打率、スローイング、選球眼、小技も加えた七拍子そろっています」
青木と対照的に、はやばやとレイズを戦力外となり、引退まで取りざたされる松井秀喜(38)は悲惨だ。
「直球に対する対応力が全盛期の11分の1程度まで下がっています。年齢とともに筋力が衰え、コンパクトなスイングができなくなっている。特に内角の速球と外のスライダーにやられています。当然、WARも悪く、マイナス1・4。必然的に、査定は“マイナス4億円”となります」
つまり4億円分の損害を与えたので、給料を受け取るどころか「賠償」せよ、というわけなのだ。
一方、同学年でありながらパワーアップ著しいヤンキース・黒田博樹(37)は、
「勝利数、防御率、投球イニングなど、どの部門でもメジャー上位にランクし、WARも5・2で、堂々の5位。唯一上位に入っていないのがランサポート、つまり味方の得点援護率です。ドジャース時代から打線の援護に恵まれず、平均以下の得点しかない。本来のヤンキース打線なら、22勝いけた。スライダーとツーシームはメジャーの有力打者を震撼させています。とにかくデータを見ても、スライダーは右打者にほとんど打たれていない。しかもQS(クオリティ・スタート。6回を3自責点以下)の安定感も抜群」(友成氏)
今やアメリカ随一の人気球団のエースに昇格。メジャー関係者も絶賛する。
「大きな武器がフロントドア、バックドアと呼ばれる変化球の使い方。前者が右打者の内角のボール球からストライクになる変化で、後者は左打者の外角からストライクになる変化です。近いと言われる広島復帰を一時お預けし、『世界一の投手になりたい』と決意を新たにしています」
そんな黒田は、ヤンキースと12億円で1年契約を更新したが、本誌が提示する正しい査定額は17・6億円。5億円以上、取り損ねてしまった。