【4】「つなぎ区間」が消滅!
神奈川大を中心に「青学包囲網」が敷かれ、有力校が序盤からプレッシャーをかける中、二強の一角、東海大の知将・両角速監督(51)は「うちはスタートダッシュできないので、3区からどれだけ仕切り直せるか」と話しているという。
「東海大は人材が豊富なので1区からでも勝負できます(苦笑)。全国高校駅伝のエースが集う1区、そこの15年と16年の上位者が8人も入部し『史上最速のタレント集団』とも呼ばれている。前回も1区の鬼塚翔太(2年)が1秒差の2位でした。ただ『新人区間』と呼ばれた、いわゆる『つなぎ区間』の4区が『準エース区間』に変貌したことで、他校が2区勝負ならプレッシャーの少ない4区にエース級をぶつけて取り返すことも可能です」(専門誌編集者)
確かにかつての4区は、五輪2大会出場の花田勝彦や、マラソン前日本人記録保持者の藤田敦史らの名前が並び、タイムでは、前回の区間賞よりも当時の記録が2分40秒も速い。4区で一気に上位進出も可能だ。
「ただし、延長された残り2.5キロは約25メートルを上るので、以前よりもタフさが要求されて難しい区間です」(佐藤コーチ)
東海大だけでなく、青学大の人選にも注目したい。
【5】山の神は降臨するか!?
箱根ファンでなくても注目する山上りの5区。新たなスターは誕生するのか。
「前回の区間3位の細谷恭平(中央学院大4年)、4位の安井雄一(早大4年)、5位の山田攻(順大3年)が健在です。注目株は『山の神になりたい』と名乗りを上げている法政大学の青木涼真(2年)と神奈川大の荻野太成(2年)です。さらに、王者・青学大にも秘策がありそう。竹石尚人(2年)が有力の中、前回8区で区間賞に輝いたエースの下田裕太(4年)が急浮上。策士・原監督の言う『ビックリ箱』の中身は、これかもしれない」(前出・専門誌編集者)
過去、山上りの5区はスペシャリストのクライマーか、エース級が投入された。両方で成功している東洋大の佐藤コーチが舞台裏を明かす。
「90回大会で区間賞だった設楽啓太は、当日の決定でした。山で強風が吹くと、足元から風を受けてフォームを乱す。設楽は細身の体型だっただけに、前夜から箱根の芦ノ湖付近に部員を派遣し、早朝の天候状況を報告させてから決めた」
選手変更は往復路を通じて4人まで。区間の変更は認められていない。そのため、エースの補欠登録も生まれるのだ。
「今大会のラジオ実況中継には今井正人氏、柏原竜二氏、神野大地氏の『山の神』3人衆が初めて共演するそうです。山上りの秘話が飛び出すかもしれません」(スポーツ紙デスク)