A氏が続けて言う。
「過去には安倍総理の事務所に、佐藤氏の著書を送ったこともあったが、特に反応はありません。フェイスブック経由で友達申請しようと思ったことがありましたが、昭恵夫人のお友達の人数が上限を超えていたので断念したほどです」
あくまで森友問題よろしく「自己啓発ビジネス」の「口利き」は否定するが、追及に永田町界隈で佐藤氏の教えを広げるべく活動していることは認めている。それにしてもなぜ、角界の暴力騒動の当事者が「自己啓発ビジネス」の普及に奔走しているのか。あまりにも不思議な人生のあやを感じずに入られないのだが‥‥。
「知人の紹介で佐藤学長と出会ったのは、3年ぐらい前になります。最初はなんだこの人って感じで、疑っていましたよ。でも、話してみたらもうすごくて。人と出会って人生が変わる、生き方が変わるってやばいですよね。佐藤学長をもっと世間に知ってほしいという気持ちが強くなったんです。『自己啓発』って聞いたら、怪しむ人もたくさんいるのは承知している。その誤解を解くことから始まるのです」(A氏)
実際、記者の前でA氏は佐藤氏が説く「真我(しんが)=本当の自分を見つける」についてのレクチャーを披露する一幕もあった。A氏にとっては人生の転機とも言える出会いだったという。もし相撲界にいる時に佐藤氏と出会っていれば、「暴力騒動」も起きていなかったと述懐する。
「(事件当時)弟子には言うことを聞けって殴っていたんです。それが正義だと思っていたし、自分が天下を取れればいいと思っていた。結局、エゴですよね。佐藤学長のおかげで、恨まれて憎まれていいことは一つもないことに気づきました。それで1年ほど前、武蔵川親方や山分親方、関係者の方にわびを入れに行っています。過去のことだからと許してくれる人もいれば、私のことをおもしろくないと思っている人もいますが、正直、悪いことをしてしまったなと、今は思っています」
一度は角界との接点を断ったA氏。特に求められることもなければ、暴力事件の過去については、話す機会もなかったというが、こうした状況を一変させたのが、昨年10月の元横綱・日馬富士(33)による貴ノ岩暴行事件だったという。地元関係者によれば、
「昨年末にA氏が送ってくるメールの中で〈実は私、相撲界から一度追放をされました。TVや週刊誌にも報道されるような、とんでもないタブーを犯してしまったからです。墓場まで持って行こうと思っていましたが、お陰様で師匠への仁義を通せたばかりか、今は若手育成のお手伝いもさせてもらっています。どうしてそんなことが出来たのか?〉と書いてきて、A氏が暴力騒動の張本人だと知ったんです」
当事者であるA氏によれば、
「一度は角界とも縁が切れたが、つらい立場にある貴乃花親方(45)を励まそうと佐藤学長の本を貴乃花部屋に持参したが、あいにく不在。本を渡すことはできませんでしたが、同時期に角界にいた貴乃花親方には頑張っていただきたいと思っています」
とエールを送る。昭恵夫人の名前を出したとすれば、少々「勇み足」だったのかもしれないが‥‥。