2月18日、平昌五輪・スピードスケート女子500メートルで悲願の金メダルを獲得した小平奈緒。その晴れやかな笑顔に日本中が釘付けになったが、その直後からツイッターやネットでは「A病院」(表示されているのは実名)という聞きなれない病院名がトレンドワードとして1位に躍り出た。
「A病院とは小平選手を支援している長野県松本市にある総合病院の名前です。小平選手を2009年から支えてきました。当時の小平選手といえばまだ無名でしたが、年間およそ1000万円を無償支援してきた。その先見の明やアスリートを支える姿勢が人々の共感を呼んだようです」(松本市在住のフリーライター)
A病院は、いわゆる“タニマチ”のように小平選手を引っ張り出すわけでもなく、影からそっと見守るスタンスを取っているようだ。院内には小平選手の試合の結果などが掲示板に貼り出されるだけで、小平選手を病院の宣伝に使っているわけではないようだ。
「松本市には信州大学医学部付属病院のほか、大きな病院が多いのですが、A病院は最新の技術を導入している病院で評判もかなり高い。松本市は住みやすい街として知られていて、移住する人も増えています。歴史や文化を感じさせつつ東京まで特急で2時間。いい病院が多いというのも人気の秘密です。A病院は地域に貢献してきましたが、小平選手を支えたことで日本という国にも貢献したと思います」(前出・松本市在住のフリーライター)
小平選手を広告塔に使っているわけではないが、訪れる患者の誰もがA病院が小平選手を支えていることを知っているという。今回の快挙で、A病院を利用している患者たちも勇気づけられたような気持ちになったことだろう。
(笠松和美)