どこもかしこも羽生フィーバーである。名前が似ていることから「羽生ファンの聖地」と呼ばれ、羽生自身もたびたび訪れる神戸市東灘区の弓弦羽(ゆづるは)神社の参拝客は、金メダル獲得以降、20倍に激増しているほど。
神宮外苑アイススケートリンクに目を向けると──。
「羽生さんの金メダル獲得直後から連日、通常の数倍の客が来ている」(受付担当者)
2月21日にスケートリンクに来ていた3人組の女子は口をそろえる。
「スケートはしたことがなかったけど、羽生の金メダルに触発されて日、月、と立て続けに来ている」
無料で配られた「金メダル獲得」の号外はフリマアプリ「メルカリ」で数千円の高値を呼んで取引され、ネット通販の「Amazon」では、4年前に発売された羽生の限定版ブルーレイディスクが定価の6倍以上となる3万円台にまで高騰しているのだ。
リンクに投げ込まれるプーさんのごとく、羽生はゴールドの雨を各地に降らせている。
そしてなんと、このブームはお笑い界にまで波及。
「羽生連覇の余波で、テレビ関係者から注目を浴びるようになった『ニセ羽生』がいるんです」(芸能記者)
その名も「羽生ゆずれない」というのだから、脱力感で転倒しそうである。
「彼は昨年4月にデビューした『羽生結弦に激似のものまね芸人』です。週6日、麻布十番のショーパブ『リトモ ディ ブリブリブッスン』に出勤していますが、羽生の連覇達成後、店に羽生ファンが続々訪れる珍現象も起きているんですよ」(前出・芸能記者)
もはやニセモノとも言えないほど、人気者と化しているようだ。
羽生ゆずれないが所属する事務所「ザゼンプロダクション」の担当者が明かす。
「現在、取材依頼を新聞3社から、テレビ局数社から8つ以上の出演依頼をいただいていて、今なお問い合わせ電話が増えています」
まさに今が稼ぎ時のゴールドラッシュである。
「ニセ羽生は表情や動きが本物にソックリなだけでなく、アイスホッケーのU18日本代表で主将を務めた経歴の持ち主ですから、本当にスケートの実力も抜群なんです。今後、『本物の羽生』を使いたくても使えない番組が、ニセ羽生を起用するケースも見られるのでは」(前出・芸能記者)
もちろん、本物の羽生はその気になれば想像を絶する稼ぎを手にすることができるはずだが、広告代理店関係者はこう話す。
「いや、本人は今まで支えてくれた人たちのため、目の色を変えて商売に走ることはないでしょうね。羽生サイドはフィーバーを冷静に受け止めているといいます」
このクールさ‥‥。それではますますファンが激増しそうだ。