平昌五輪での日本選手団の大活躍で、2020年に開催される東京五輪も勢いづく──そんな五輪ムードに3月1日発売の「週刊文春」が、冷や水を浴びせるスクープを掲載している。女子レスリングでこれまで4大会連続で金メダルを獲得し、国民栄誉賞にも輝いた伊調馨選手が窮地に立たされており、その原因が、伊調の恩師であり、日本レスリング協会強化本部長を務めている栄和人氏によるパワハラだというのだ。
「記事によると1月18日、内閣府に、五輪選手を含む複数の協会関係者から依頼されたという弁護士からの告発状が提出されたそうです。そこには、現在伊調選手が師事するコーチに“不当な圧力”がかけられていること、伊調選手が男子選手の合宿に参加するのを禁止されていること、伊調選手がリオ五輪まで練習の拠点としていた警視庁レスリングクラブへの出入りが禁止されていることがつづられていたそうです」(芸能ライター)
伊調選手が中京女子大学附属高校に進学した時から大学まで7年間にわたってレスリングの指導をしていたのが栄氏。伊調選手は姉である千春氏とともに栄の自宅に下宿し、レスリング漬けの日々を送っていた。過酷な練習に耐え、伊調選手は04年のアテネ五輪、08年の北京五輪と連覇を果たす。しかし、その後、伊調選手と日本レスリング協会の間に亀裂が入ることになる。
「北京五輪直後の世界選手権で、協会は日本テレビから1億円の放映権料を受け取ることになっていました。しかし、伊調姉妹がケガのため、栄氏や協会の説得に応じず欠場。これにより、放映権料は6000万円にまで減額されたのだとか。その後、伊調は栄氏のもとを離れて東京へ向かい、男子選手と練習をするようになりました。メンツをつぶされた、と考えたのかどうかはわかりませんが、栄氏は伊調の新たな指導者となったアテネ五輪の銅メダリスト、田南部力氏に『伊調のコーチをするな』と圧力をかけたというんですね。その後、伊調は男子の合宿練習への参加が禁止され、ついには練習場である警視庁からも出入り禁止になった。ちなみに、警視庁レスリングクラブの監督、土方政和氏は、栄氏と高校時代の同級生だそうです。栄氏は週刊文春やワイドショーの取材に答え、パワハラ疑惑を否定し、田南部氏が、レスリング選手の和を乱しているなどと反論しています」(前出・芸能ライター)
とはいえ、伊調選手がみずからも週刊文春に現在の“窮状”を訴えており、告訴状から1カ月が経っても内閣府に動きは見られないという。こんな騒動で、「5連覇の夢」が途絶えてしまうことを、国民の誰が望んでいるというのだろうか。