リオ五輪で女子初の個人種目4連覇の偉業を成し遂げたレスリング・伊調馨選手の意向を汲んだとされる内閣府への告発文書が意外な波紋を広げている。当初、栄和人監督個人のパワハラ問題かと思いきや、批判のホコ先は、レスリング協会へも向けられ、隠蔽体質から性的なハラスメント疑惑まで露呈。さながら昨年の貴ノ岩暴行騒動に端を発する相撲協会のゴタゴタとソックリではないか。
「くしくも3月9日には貴乃花親方も『内閣府』に対して告発文を送付したことも発覚しました。その内容は、貴ノ岩暴行事件に対する相撲協会の対応を批判したもの。まさにレスリング協会が、伊調馨に対する栄和人監督のパワハラを黙認しているような状況とウリ二つですよ」
と、アマチュアスポーツ担当記者は言う。また、告発文の報道後のレスリング協会は態度を硬化。
「当協会が伊調選手の練習環境を不当に妨げ、制限した事実はございません。同様に、当協会が田南部力男子フリースタイル日本代表コーチに対し、伊調選手への指導をしないよう、不当な圧力をかけた事実もございません」
と、即座にパワハラを完全否定するも、その翌日に、林芳正文科相が一転、聞き取り調査を行うこと発表。すると、ようやく重い腰を上げ、冒頭のように告発状を受け、第三者機関に委託しての聴取に乗り出すことを決める始末だった。この流れもまた、貴ノ岩暴行騒動で当初、ダンマリを決め込んだ相撲協会と酷似しているのである。
公益法人の看板を背負いながら、その“中心”で、エグい疑惑が噴出するばかりの2大協会。いったいどちらの闇が、より深いのかを3月13日発売のアサヒ芸能で、双方の実態を取材、特集している。