今、ネットニュースを席巻しているコラムニストがいる。木村隆志氏といい、編集者からは重宝されているといい、ドラマの解説者として「新・週刊フジテレビ批評」(フジテレビ系)にも出演しているが、少々アラ削りな部分があるという指摘があるのだ。
「木村氏の論評で多いのが、少々『早とちり』な意見。例えば石原さとみ主演の放送中のドラマ『アンナチュラル』(TBS系)のスタート時、『1話完結にこだわり、毎回終盤のどんでん返しに頼ると、予定調和の印象を招き、マンネリの懸念も』と、あまり好印象ではない意見を述べていました。しかし、目下、同作は石原さとみ演じる三澄ミコトの壮絶な過去が明かされている真っ最中。もはや誰も1話完結とは思っていないでしょう。彼は早計と言うか、読みが甘いのです」(芸能ライター)
ただ、この時はまだ回が進んでいなかったからという釈明もできよう。しかし放送から1カ月以上たった2月24日にネットに投稿された別のコラムでは、「一方、法医学ミステリーの『アンナチュラル』とホームコメディーの『もみ消して冬』は、ジャンルこそ異なりますが、一話完結というドラマの構造は同じ」
と、「一話完結」と再び断定。これに対してSNS上では、「アンナチュラルが一話完結?木村隆志氏はどこを見ていたんだろう?」と、視聴自体も疑われるような意見も見られている。
また、仲里依紗主演のドラマ「ホリデイラブ」(テレビ朝日系)についてのコメントも疑問だ。同作は夫に不貞されてしまう妻を仲が演じているのだが、これを「サレ妻」と定義しながら、その潮流は不貞スキャンダルへの世間の風当たりから生まれていると主張。そのうえで今後、かつてのドラマのように不貞をする「スル妻」をヒロインとする作品が出てくるかという可能性については、小室哲哉と小泉今日子を巡る不貞報道によって「世間の処罰感情が緩和しはじめているだけに、今夏以降の方向性は不透明」だという。
「ネットの書き込みなどを参考にしているのか、わかりませんが、『世間の処罰感情が緩和』とかデータでは読み取りにくいはずの世間の空気をどこからか感じ取り、自己判断で論じてしまっています」(前出・芸能ライター)
また、木村氏はバラエティについても執筆しているが、例えば「激レアさんを連れてきた。」(テレビ朝日系)の司会であるオードリー・若林正恭についてもこんなふうに評したものだ。
「失礼ながら“つけ合わせ”のような絶妙の存在感を放っている。ラーメンならメンマ、ハンバーグならニンジンのグラッセ。でも、それがとんでもなくおいしくて、店を出たあと『ラーメンやハンバーグよりメンマやグラッセがうまかった』という記憶が残る」
若林を料理に例えようとして結局グルメに話を広げすぎ、結果よくわからない分析になっている。木村氏は今後、どんな“読み応え”のあるコラムを提供してくれるだろうか。
(魚住新司)