阪神の主砲・大山悠輔のFA移籍が、現実味を帯びてきた。
藤川球児監督は11月4日、「FA権の行使は裏切りじゃない。それを変えていきたい」と行使に理解を示した。翌5日には粟井一夫球団社長からも「(FA宣言)するのかしないのかも含めて、そこは権利だから尊重しないと」という言葉が飛び出している。
大山はすでに代理人と契約済みであり、球団とは残留交渉を行っているというが、一方で茨城県下妻市出身だけに、関東の球団を希望しているといわれる。
大本命として挙がるのは、4年ぶりのリーグ優勝を果たした巨人だ。クライマックスシリーズ・ファイナルではDeNAに6戦でわずか9得点しかできず。逆王手された第6戦では、相手のエラーとスクイズによる得点のみにとどまり、改めて打撃力不足を露呈することになった。
移籍先の大穴候補とされるのは西武だ。今季は12球団最低の350得点、チーム打率2割1分2厘という数字を見て分かるとおり、最後まで貧打に泣かされた。女性トラブルがあったとはいえ、山川穂高を失った影響は大きく、同じ右打ちの大山はぜひともほど欲しい選手だろう。
阪神という超人気球団からの移籍はかなりハードルが高いが、チームトップとなる源田壮亮の年俸3億円を大幅に上回る高待遇を提示することができれば、ワンチャンあるかもしれない。
阪神は大山に対し、今季推定年俸2億8000万円からの大幅増に加え、4年契約を提示しているという。本人はマネーゲームを求めていないというが、自身の評価に直結するだけに、無視はできないだろう。
これまで阪神から巨人に移籍した選手は江川卓や野村克則、昨年の現役ドラフトでの馬場皐輔など複数いるが、いずれもトレードや金銭によるもので、FA移籍はまだいない。もし阪神の4番がFAで巨人に移籍することになれば、球界が驚きに包まれるのは確実だ。
(ケン高田)