1990年にスタートして、今年で34年目。寂しいクリスマスイブを過ごす視聴者に寄りそう優しい番組…といえば「明石家サンタ」だ。今年も「明石家サンタの史上最大のクリスマスプレゼントショー2024」(フジテレビ系)として放送された。
始まった当初は、さんま35歳、アシスタントの八木亜希子は25歳だったが、2025年にさんまは古稀を迎えるとか。ということは、八木も還暦。「フジテレビ花の三人娘」(ほかに有賀さつき・河野景子)もとうとう還暦かと、感慨深いものがある。
村上ショージも松尾伴内もこの番組でしか見ないし、トナカイ姿で登場の木田優夫は巨人時代に出演し、今では北海道日本ハムファイターズGM代行。それでも毎年、トナカイをやり続ける木田にさんまが「もう断ってくれてもいいよ」と言えば、「来年もお願いします」。年に一度のお楽しみは視聴者だけでなく、出演者も同じようだ。
とはいえ、老いはひしひしと。「さんま御殿」や「向上委員会」などを見る限り、さほど気にはならなかったが、さんまにも確実に老いの影は忍び寄っているようだ。
この番組は生放送で、視聴者と電話でやりとりするものなのだが、さんまの耳の聞こえがよくないのか、何度か聞き直したり、相手の話がなかなか理解できずに、八木に「翻訳」してもらう場面も多々。山形弁の方言丸出しの人は、何を言ってるかさっぱりわからなかったが…。
さんまは以前、こんな趣旨のことを言っていた。
「60歳で引退を考えていたが、爆笑問題の太田に『それではカッコ良すぎるから、自分たちに落ちていくカッコ悪いところを見せてから辞めてくれ』と言われて引退を撤回した」
だとすれば有言実行で、カッコ悪い姿を見せてくれているのかもしれない。
そういえば、100インチのテレビを買ったというくだりで、さんまが八木に、
「でも大きなテレビでエッチなビデオ見たらアカン。自信なくすねん」
と言っていたが、どこを見て自信をなくすのか「まさか修正ナシのやつを!?」などとギモンも湧いたが…。
年に一度、さんまの老いを確認するのも悪くない。赤いサンタの衣装がまだまだ似合う八木とともに、来年も元気な姿を見せてくれるか。
(堀江南/テレビソムリエ)