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大型補強などありえない…日産の経営統合に巻き込まれた横浜F・マリノス「存続の危機」

 サッカーJ1の横浜F・マリノスは、今季のリーグ戦では9位と低迷。天皇杯とルヴァン杯はともにベスト4で敗れ、名門クラブはついに無冠に終わった。

 成績不振で就任1年目のハリー・キューエル監督が早々に見切りをつけられると、シーズン途中でジョン・ハッチンソン監督がバトンを引き継いだ。しかし立て直しとまではいかず、来季は前イングランド代表ヘッドコーチのスティーブ・ホランド氏の招聘が決定している。

 ホランド氏は世界的名将のジョゼ・モウリーニョ氏やアントニオ・コンテ氏の下で「頭脳」として貢献し、数々のタイトルを獲得した。それだけに、マリノスをどんなチームに仕上げるのか、早くも楽しみになる。

 ところがそんな来季に向けて、サポーターからは意外と言っていいほど、不安の声が大きいのだ。サッカーライターがその理由を明かす。

「主力選手がどんどん引き抜かれています。DF上島拓巳がアビスパ福岡、DF小池龍太は鹿島アントラーズへの移籍が決定。さらに元日本代表のFW西村拓真は町田ゼルビア、同じく元日本代表のDF畠中慎之輔はセレッソ大阪への移籍が濃厚と報じられました。そこに追い討ちをかけるように、副主将のDFエドゥアルドと契約を更新しないことが発表された。守備陣が崩壊寸前です」

 Jリーグ発足時から強力な守備陣が「伝統」だったが、昨季は降格した3チームに続いて、ワースト4位の失点64。一度、守備陣を更地に戻し、大きくメスを入れて再建する狙いなのか。

 この先、まだ移籍期間は続くだけに、サポーターを歓喜させるビッグニュースが飛び込んでくるはず…とポジティブに考えたいところだが、「あの話題」がサポーターをさらなる不安に陥れている。

「親会社の日産自動車は2024年4月から9月までの中間決算で90%を超える大幅な減益となり、世界で9000人の人員削減の方針を明らかにしています。移籍マーケットの草刈り場になっていることには、経営難が少なからず関係していると言われていました。その矢先、今度はホンダと日産が経営統合に向けて本格的な協議に入り、チームの先行きが完全に不透明な形に。現状、新戦力の補強に積極的に資金を投入するとは考えられません。むしろ人員整理が加速する可能性が出てきました」(前出・サッカーライター)

 優勝争いに向けて始動する前に、クラブは存続の正念場を迎えているのだ。

(風吹啓太)

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