史上2頭目、3歳牝馬が64年ぶりに勝利した12月22日の有馬記念。思わぬ荒れ方に「これで今年は馬券終了」と意気消沈した人は少なくなかろうが、12月28日には2025年へ羽ばたく2歳馬によるGⅠ「ホープフルステークス」(中山・芝2000メートル)がある。真の馬券ファンはまだまだ休めないのだ。
何を隠そう、有馬記念を制したレガレイラが牡馬を蹴散らして初GⅠを獲得したのが、昨年のホープフルSだった。
それだけに俄然、注目を浴びていいレースだが、キャリアの浅い有力2歳馬が終結するとあって、人気どころで堅く収まる年があれば、大穴の激走で高額配当となる年もある。馬券ファン泣かせの一戦といっていい。
これに関東在住の馬券師ライターT氏は、
「軸にできる本命馬を、意外と簡単に見つけられるレース」
と豪語する。続けて、
「何が激走するのかわからない、事前根拠の少ないレースではまず過去のデータで、いらない馬をバッサリ切って頭数を絞ることが重要です。でも、ホープフルSはさすがGⅠですよ。他の2歳重賞と違って、初勝利後の馬は全く通用していない。今回はそれだけで5頭を切ることができます。さらに、休み明けのぶっつけで好走できた馬も、このレースのGⅠ昇格後にはいない。10月以降に一度は叩いてGⅠレベルまで仕上がっていないとダメというわけです。そうなると、マジックサンズなど4頭を消せる。これで残りは9頭。その中から軸馬を見つければいい」
T氏が重要視するポイントは、関西馬のローテーション。T氏が語ったポイントから絞っても、クラウディアイ、クロワデュノール、ジョバンニ、デルアヴァー、ヤマニンブークリエの5頭がまだ残っている。
「事前オッズ1番人気のクロワデュノールは、前走で過去にクラシックホースを多数輩出した東京スポーツ杯2歳S(GⅡ)を勝って2戦2勝。まあ、わかりやすい人気馬です。一方で、これは偶然ではなく必然でしょう、2021年のジャスティンパレス(4番人気)、2022年のトップナイフ(7番人気)のように毎年必ず、関西のレースから挑んできている関西馬が1頭もしくは2頭、激走している。これが意外と人気の盲点となっている。つまり、西のレースで手ごたえをつかんで東上することを決めた『陰の実力馬』を見つけることができれば、ホープフルSの馬券は勝てるということ」(T氏)
この助言に従えば、軸馬候補はクラウディアイ、ジョバンニ、ヤマニンブークエの3頭に絞られるが、
「この中なら、前走の京都2歳Sでクラウディアイに先着しているジョバンニしかいない。2000メートルのオープン特別と重賞で連続2着。予想オッズは6番人気です。やはり低いですね。もう1頭のヤマニンブークリエは前走の1勝馬戦で、逃げて2着。悪くはないが、軸にはしづらい。穴的な押さえで買いたい馬です」(T氏)
2024ラストを飾る中央競馬GⅠは、西からの刺客ジョバンニを軸に、上位人気馬からは「2戦続けて鬼脚を使った」とT氏が絶賛したマスカレードボールを相手筆頭で。そしてヤマニンブークリエなどの穴馬をうまく選択しながら「必殺ローテーション3連単」で勝ち納めといきたいところだ。よいお年を!
(宮村仁)