日活のスターとして活躍中の68年、NHK大河ドラマ「竜馬がゆく」で初の時代劇出演を果たした高橋英樹。以後、数多くの作品で主役を張ってきたが、ファンにとって印象深いのは、やはり「桃太郎侍」だろう。
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これまでバッタバッタと7万人は斬りましたかね。
「桃太郎侍」だけでも2万人以上。でも、桃太郎は当初、峰打ちにして悪人を諭そうという話だったんです。扮装も黒の着流しで地味な感じ。それで2クールほど続けましたが、撮っていて何かスッキリしない。やっぱり時代劇はスカッとしなくちゃいけない、と考えていました。
主題歌を歌った三波春夫さんとゴルフをした時、
「桃太郎、お地味ですねぇ」と言われまして、自分でも感じていたから、いいきっかけだと思って、制作側と話し合いを続けました。で、「諭してわかる程度の悪人が相手では、桃太郎がカッコよくない。とにかく悪人を斬ろうよ」ということになったんです。
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高橋英樹(67)。千葉・木更津出身。時代劇初出演は68年、NHK大河ドラマ「竜馬がゆく」の武市半平太役。以後、織田信長(『国盗り物語』73年・NHK、『織田信長』94年・テレビ東京)、清水次郎長(『次郎長三国志』91年・テレ東)、柳生宗矩(『柳生武芸帳』10年・テレ東)など多くの歴史上の人物を演じる一方、「桃太郎侍」(76.81年・日テレ系、92.94年・テレ朝系)、「遠山の金さん」(82.86年・テレ朝系)など痛快娯楽時代劇の当たり役も多かった。
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同じ斬るのでも、普通に斬ったのではおもしろくない。かつて任.映画で高倉健さんが「親分さんには恨みはございませんが、死んでもらいます」と斬るんですけど、それがカッコいい。こういう決まりゼリフを使えないかということになり、できたのが「一つ、人の世の生き血をすすり」「二つ、不埒な悪行三昧」「三つ、醜い浮世の鬼を、退治てくれよう、桃太郎」と数え歌を唱えながら悪人を成敗すること。
ただ、脚本家が「十でとうとう悪人退治」と十まで作ってきて、これでは斬る相手は200人くらいになる。正味45分のドラマではせいぜい40人。で、三つになったんです。
さらに、三波春夫さんのおっしゃるとおり、「お地味」はやめて、三波さんが舞台で使う衣装をヒントに白に柄の入った派手なものに変え、般若の面をかぶって登場。それがヒットして、「桃太郎侍」は258本も続くことになったんです。
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子供の頃からチャンバラが好き。激しい立ち回りも殺陣師が1回やるのを見ていたら、すぐにわかったという。立ち回りがうまいと言われた若山富三郎は「(自分に次いで)うまいのは高橋英樹だな」と語っていたという。
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一呼吸で5人は楽に斬れますね。ですが、7人続けて斬ったら、さすがに息が「ハァ.」となる。すると監督が「それ、いいね」って言いだして、そのまま採用されることになったんです。
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