4月10日放送「ダウンタウンDX」(日本テレビ系)の代打MCは千鳥だった。この手の大人数をひな壇に揃えて行うトークバラエティーは、ゲストのメンツが中身を左右する部分があるとはいえ、場の回し方や話をするタイミングなど、MCの手腕に頼るところは大きい。
その点、先週の代打MCだったかまいたちも悪くなかったが、やはり全てにおいて、千鳥の方が一枚上手に感じた。
そして次週の代打MCは田村淳(ロンドンブーツ1号2号)であることが、番組の最後に発表された。ここでも相方の田村亮は使ってもらえないのか、と。例の「闇営業」問題以降、復帰しても「ロンドンハーツ」ですら、たまにしか見かけないだけに、これを機にコンビでMCをやれば、多少の話題にはなったかもしれないのに…。
ところで、この「代役MC」方式はいつまで続くのか。もしかして「次は誰だろう」ということで楽しませているつもりなのか。だとしたら、いっそタイトルを「ダウンタウンDAIYAKU(代役)X」に変えたらどうだろう。「X」は数学で「未知数」として用いられるし。あるいは「だれかto DX」か。
思うに「ダウンタウンDX」も「水曜日のダウンタウン」も「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」も、番組タイトルに「ダウンタウン」の文字が大きく躍っているから「代役」という方法をとらざるをえないわけで、テレビ局も吉本興業の手前、やすやすと看板を外すわけにはいかないのだろう。
その点、23年の歴史に幕を下ろした「行列のできる法律相談所」はよかった。途中から「法律」の文字が消えて「行列のできる相談所」にタイトルを変えたが、「島田紳助の」とはついていなかった。なので紳助が消えた後、東野幸治、後藤輝基、井上芳雄らがMCを担当してもさしたる違和感はなく、スペシャル回には明石家さんまを呼んでくるなど、特別感のある演出が可能だった。
「巨泉の○○」とか「欽ちゃんの○○」といった古から続くパターンに則って、ついつい番組タイトルに芸人やタレントや司会者の名前をつけがちなのだろうが、今後は考えものだろう。昨今、「大物司会者」などと呼ばれているような人間でも、急に消えてしまうことがあるのだから。
(堀江南/テレビソムリエ)