元SMAPの稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾の3人が出演する映画「クソ野郎と美しき世界」が4月6日に公開される。同映画は2週間の限定上映となっているが、仮に興行的に失敗することがあれば彼らに好意的だったメディアも一気に興味を失いかねず、元SMAPの3人にとっては今後の“勢い”を占うとも言える重要な作品だ。
その「クソ野郎と──」は4本のエピソードから成るオムニバス形式となっており、最後には一つの物語に繋がるという。4本のエピソードのそれぞれの監督に園子温、山内ケンジ、太田光、児玉裕一の4氏が起用され、太田は草なぎが主演する一篇の監督を務めるが、太田にとってもまた、この作品が、絶対に失敗の許されない勝負作となっているというのだ。
「まず、これまでさんざん映画監督への意気込みを語っていた太田が満を持して、どんな作品を撮るのか、大きな注目が集まっています。ここで一定の評価を得ることができれば、太田が尊敬してやまないビートたけしのように、映画監督として認知されるという一段上のポジションに飛躍できるチャンスです」(映画ライター)
その一方で、もし失敗作に終わってしまった場合には、あの芸人と同様の末路が待っているとの危惧もあるという。
「ダウンタウンの松本人志は映画を4本撮りましたが、いずれも興行的に失敗。4作で打ち止めになったのは吉本興業が大赤字を支えきれなくなったからと言われています。松本の感性が反映されたはずの内容も酷評されており、監督デビュー作の『大日本人』についてはエッセイストの中村うさぎが2014年4月放送の『5時に夢中!』(TOKYO MX)にて『びっくりするほどおもしろくなかったよね。意味わかんないし。何でこんなおもしろくない映画作れるんだろうって感心しちゃった』とコキおろしたほど。そんな経緯を踏まえると、太田も今回の作品が失敗すると、松本同様の評価を受けることになりかねない。太田は91年にもオムニバス映画の短篇の監督を務めていますが、芸人として大物になって久しい今こそ、監督としての才能が問われる正念場なんです」(業界関係者)
太田は映画業界に多数の人材を輩出している日本大学芸術学部(日芸)の出身。もっともほとんど単位を取らずに中退しているが、今回の作品ではしっかりといい結末を迎えることがいろいろな意味でより一層、期待されているのだ。
(浦山信一)