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“老活のススメ”スペシャル対談「弘兼憲史×加藤一二三」(3)「友よ」と呼んで生涯を閉じたい

弘兼 加藤九段は漫画を読まれることがありますか。

加藤 漫画は読まないのですが、アニメはよく観ていました。「赤毛のアン」や「ニルスのふしぎな旅」が好きですね。弘兼さんの奥様は「東京ラブストーリー」を書かれたマンガ家さん(柴門ふみ)ですよね。我が家ではあのドラマを、家族そろって観ていましたよ。あれはロマンスもすばらしいですし、ストーリー展開もおもしろくて、いくつもの名場面を覚えています。

弘兼 アハハ。ありがとうございます。加藤九段は娘さん3人と息子さん1人がいらっしゃるそうですが、家族との関係はいかがですか。

加藤 家族とは、同じ趣味や共通の話題になることがあればいいと思うんです。今でも家族で旅行に行ったり、美術館に絵を観に行ったり、クラシックのコンサートに行ったりしますし、仲はいいと思います。

弘兼 そういえば、加藤九段が現役を引退された時、奥様に対して感謝の言葉を残されていたのが印象的でした。奥様は中学時代の同級生とのことですが、なれそめを教えていただけますか。

加藤 結婚は、してからが勝負なので、それ以前のことはあまり語らないようにしています。特に妻がてれくさがって、あまり話をしてほしくないようで‥‥。

弘兼 そうですか。それは残念です。ちなみに、私はある程度、夫婦が年を取ったら、結婚を卒業して、それぞれの生き方を尊重する「卒婚」もいいのではないかと思っているのですが、加藤九段にとって理想の夫婦関係とは何ですか。

加藤 いろいろな夫婦の形態があってしかるべきだと思います。ただ、最後の最後は、やはり好意を持ち合って生涯を閉じたいですね。キリストには12人の弟子がいたのですが、ユダだけがイエスを裏切ります。「最後の晩餐」では最後の最後にキリストがユダに対して裏切りを撤回してほしいという思いを込めて「友よ」と声をかけます。結婚も同じで、最後に相手に「友よ」と呼べる関係が理想ですね。

弘兼 なるほど、それは奧が深いですね。

■弘兼憲史(ひろかね・けんし)1947年、山口県生まれ。早稲田大学法学部卒。松下電器産業(現パナソニック)勤務を経たのち、74年に漫画家としてデビュー。現在、「島耕作シリーズ」や「黄昏流星群」を連載するほか、作家、ラジオのパーソナリティーとしても活躍中。「新老人のススメ」(小社刊)など著書多数。

■加藤一二三(かとう・ひふみ)棋士九段。1940年、福岡県出身。早稲田大学中退。第40期名人。仙台白百合女子大学客員教授。54年、当時の最年少記録となる14歳7カ月で史上初のプロ棋士となる。17年6月の引退まで、62年10カ月にわたりプロ棋士として活躍。00年紫綬褒章を受章。通算成績は2505戦1324勝1180敗1持将棋。現役引退時点で勝利数は歴代3位、対局数と敗戦数は歴代1位。近年は「ひふみん」の愛称でバラエティー番組など多くのメディアに出演。

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