虎にマジメはいらない? 不振の続く投打の中心選手には「手抜き」も必要のようだ。
「金本(知憲=50)監督が期待していたのは、秋山(拓巳=27)とロサリオ(29)ですよ。秋山はプロ8年目の昨季、ようやく一本立ちし、最低でも昨季の12勝以上を挙げてもらうつもりでしたが、まだ1勝(23日時点)。4番予定して獲得したロサリオには打率はそこそこで良いから、本塁打を量産してもらいたい、と」(在阪記者)
だが、2人ともパッとしない。その原因は意外なところにあった。秋山は“謙虚すぎる”のだ。昨季に結果を出したことで、首脳陣はキャンプ、オープン戦でのマイペース調整を許していた。なのに、キャンプ初日からエンジン全開で、周囲がペースダウンを勧めても、「ボクなんか、まだまだですから」と、新人のような猛練習を辞めようとしなかった。「完全なオーバーヒート。ペナントレースが始まった今よりも、キャンプ中のほうがキレのあるボールを放っていた」(関係者)なんて、証言もあるくらいだ。
「ロサリオも自身の打撃不振を深刻に受け止めすぎ。メジャー時代は捕手で、阪神入りにあたって、わざわざキャッチャーミットを新調しているんです。『万が一に備え、待機するためだ』と言ってました」(前出・在阪記者)
マジメさが裏目に出ている。ロサリオは走者のいない場面でも対戦投手にクイックモーションを使われ、タイミングを狂わされている。「長打ではなく、シングルヒットなら打たれても構わない」といった攻略法だ。ホームランはまだ1本だけ。金本監督の期待の大きさもプレッシャーになっているという。
「キャンプ中の打撃練習でケタ外れの飛距離を見せつけていました」(在阪記者)
ロサリオもキャンプ中のほうが、リラックスできていたようだ。もともと、阪神は「打ってナンボ」のチーム。大雑把な性格でなければ、甲子園の大歓声にも潰されてしまうのだ。マジメさがアダとなる。秋山、ロサリオを蘇生させるには「手抜きの仕方」を教えてやったほうがいい。
(スポーツライター・飯山満)