イチローの去就問題が再燃しそうだ。
事実上の「引退」とも取れる会長付特別補佐に就任して、2週間強が経過した。「チームに帯同し、練習にも参加するが、試合には出られない」──そんな立場のイチローは、来季、日本で開催されるマリナーズの開幕戦で“一時復帰する”との見方もされている。ところが、帰国のタイミングが早まる可能性が出てきたのだ。
「5月12日のタイガース戦でマニー・アクタコーチが代理監督を務めました。同コーチの本来の役割はベンチコーチ。同日、代理でベンチコーチ役に選ばれたのがイチローでした。采配をサポートし、イチローの野球熱にふたたび火がついたというか…」(特派記者)
試合中のベンチ入りも久しぶりだった。それを妨げているのも「会長付特別補佐」に祭り上げられたためだが、オリックスを始めとする日本の各球団がその契約内容について調べ直したのだ。わかったことは終身契約とはいえ、1年ごとの更新となっており、仮に破棄したとしても、イチロー側が戻りたいと言えばマリナーズに復帰できる条項も書き加えられていた。
「一時的に破棄できるのであれば、イチローが『日本で試合に出たい』と言えば、マ軍はそれを許さなければなりません。来季以降の帰還も保証されているのなら、正式に日本の球団がアクションを起こせば、イチローも考えるのではないか、と」(球界関係者)
イチローの理解者でもあるオリックス・宮内義彦オーナーも、消化不良ぎみの現状を気に掛けているという。「オリックスで引退してくれ」とも思っている。正式なオファーがあれば、イチローは来季開幕戦前の帰国を真剣に考えるのではないだろうか。
(スポーツライター・飯山満)