新潟女児殺害事件は発生から1週間で急展開を迎えた。逮捕されたのは、被害者の近所に住む23歳の会社員。今年4月にも書類送検された直後の犯行だった。だが待ってほしい。実はこの事件は容疑者逮捕で一件落着ではない。事件現場周辺の、5人もの不審者が今も特定されぬまま放置されているのだ。平和な町を脅かす変質者たちの正体とは──。
犯人はやはり変質者だった。5月7日月曜日の22時半頃、下校途中に行方がわからなくなっていた新潟市西区に住む小学2年生の大桃珠生ちゃん(7)が、自宅近くの線路内で変わり果てた姿で見つかった事件は、近所に住む小林遼容疑者(23)の逮捕でヤマ場を迎えた。捜査関係者が明かす。
「小林は昨年から今年にかけて、山形県内の14歳の女子中学生を連れ回し、ホテルでわいせつ行為をしたことで、4月に新潟県警が青少年保護条例と児童ポルノ法違反で書類送検しています」
珠生ちゃんの自宅周辺に、変質者が何事もなく暮らしていたというのだから、子を持つ親としてはたまったものではない。しかも小林容疑者は、一見すると今どきの好青年といったたたずまいだが、その供述内容は二転三転。自己保身に終始する小林容疑者からは悔恨の情はうかがえないという。捜査関係者の話。
「逮捕翌日の15日には殺害をほのめかしたものの『車でぶつかり、女児が泣き出したのでパニックになり首を絞めた』と、計画的な犯行を否認しています。ところが、事件当日の7日午前中の時点で、小林は家族に会社に出勤する振りをしながら、実際には無断欠勤している。この点は見逃せない」
事件直後、女児の遺体を線路に置くという猟奇性から、解決の長期化も懸念されたが、捜査にあたっていた新潟県警はすでに、小林容疑者を重要参考人の一人としてしぼり込んでいた。犯行翌日の午前中には、警察が事件への関与を確認すべく職場に出勤確認の電話をしていたことからも、警察がマークする「ロリコンブラックリスト」入りしていたことは間違いないようだ。
その“前兆”もまた、たびたび目撃されていた。
「駅から線路沿いに歩いて遺体遺棄現場の先にある突き当たりの曲がり角付近で、中学1年生の女子生徒が不審な男に接近される事案が、事件の2、3週間前に起きていました。男が女子生徒のリュックサックに手を伸ばしたので3メートルほど後方にいた母親が驚いて娘の名前を叫ぶと、『チッ』と舌打ちして逃げていったそうです」(地元紙記者)
この変質者の特徴は、色白でやや小太り、30歳くらいに見えたといい、小林容疑者の外見とも酷似しているというのだが‥‥。
小林容疑者を知る中学時代のクラスメイトによれば、10代からすでにその片鱗をかいま見せていたという。
「女子と仲よく話してるところは見たことないし、彼女がいたこともなかったと思う。クラスで嫌われていたわけではないけど、ちょっと空気が読めないような感じで、本当に趣味の合う数人の男友達としか仲よくなかったと思う。自分の友達は、彼が好きなアニメの画像を見せられて『小さな女の子が出てくる全然知らない作品で、引いた』と言ってた」
女性に対するコンプレックスが、女児偏愛へと向かってしまったのか。今後の捜査の進展が待たれるばかりだ。