日本サポーターと英国メディアの間に“サッカー観”の明らかな差が生じている。
英国の保守派日刊紙「Daily Telegraph」が5月31日、ロシアW杯本大会に参戦する32カ国の戦力を細かく解析し、日本代表の注目選手としてはドルトムントの香川真司と、レスターの岡崎慎司の名前を挙げている。
5月30日に日産スタジアムで開催されたガーナ代表との壮行試合ではあまりに消極的な戦いぶりから、0-2という完敗を喫していた西野朗率いるサッカー日本代表。同紙は、我らがサムライブルーに関して「残念ながら日本にはスーパースターとして名を馳せるプレイヤーは居ないものの、ヨーロッパでの経験値が高い選手は多く保有しており、とりわけ香川真司と岡崎慎司は大きな仕事を成し遂げるだろう」とし、日本の命運を左右するキーマンプレイヤーにも香川を選出。やはり2010年より海を渡り、ドイツで活躍してきた同選手の実力と、その豊富な経験値を重要視しているようだ。
「奇しくもサッカーの母国であるイギリスの人気紙が選んだキーマンはファンから非難轟々の野次を浴び続けてきた香川とあって、日本国内での香川評と、グローバルな視点からの香川評に大きな隔たりがあることが露呈しました。日本のネット上では、これまで『ドルトムントで役に立てていない選手が当然のように選ばれるのは納得いかない』『マジで香川が選ばれるのは納得できない』『香川を外して森岡亮太を選べよ!』とのブーイングが飛び交ってきました。ですが、客観的に日本代表を分析したTelegraph紙の目の肥えた記者は香川をキーマンに推している。やはりこのような大舞台では『経験値がモノを言う』ということなのかもしれません」(スポーツライター)
もちろん英紙のキーマン予想が何かを保証するものではないが、ドルトムントで期待されたようなパフォーマンスを見せられなかった現在においてもなお、やはり香川の世界における評価は相変わらず高いままのようだ。鋭いスルーパスと、機を見た前線への飛び出し──香川の真骨頂がロシアでふたたび見られることを願いたい。
(ジェイコヴ)