マイナビオールスターゲーム2018(7月13、14日)のファン投票の第8回中間発表が6月7日に行われ、セ・リーグ先発投手部門で中日・松坂大輔投手がトップに立った。「巨人菅野を抜き去って」となると、その人気の根強さを再認識させられたが、投票数を一気に伸ばした理由はそれだけではなかった。
「復活、日本球界12年ぶりの白星という稀少価値も付いたんだと思います。しかも、単に復活したのではなく、今の松坂は打ち込まれてようやく勝ったというピッチング内容で、負傷交代する試合もありました」(球界関係者)
悲壮感いっぱいのピッチングが、往年の剛球を知る世代から共感を呼んでいるようだ。しかし、中日首脳陣はそうは見ていない。「次に故障したら、ジ・エンド」だと思っている。
「5月中旬、右ふくらはぎの故障で途中降板しました。その翌日、ケガの状況を取材しにきたメディア陣を見つけるなり、いきなり、ダッシュでした。ここまでして、軽傷をアピールしなくていいのに」(スポーツ紙記者)
出場が濃厚となった球宴後、松坂の家族も夏休みで帰国する予定だという。「家族が来るまでにもっと勝っていいところを見せたい」という気持ちもあるらしい。
「今年の推定年俸は1500万円。勝ち星ではなく、投球イニング数に応じて出来高が支払われる契約になっているそうです」(前出・スポーツ紙記者)
頑張るのは家族のため。「家族」という言葉のオブラードに包まれた“夫人のアツ”も想像してしまうが…。ともあれ、悲壮感いっぱいのピッチングで新たなファン層を獲得したようだ。
(スポーツライター・飯山満)