エンゼルスが緊急会見で、大谷翔平が「右肘の内側側副じん帯損傷」のため、10日間の故障者リストに入ったと伝えた。故障者リスト入りしたということは、バッターとしての出場もない。ケガのレベルは「グレード2」、これだけでは重症なのかどうかわからないが、「3週間は様子を見る」(球団)とのこと。そのあとで「打者復帰させるかどうかも判断する」としていた。
これによって、マイク・ソーシア監督の抱いていた「リアル二刀流」の起用は消滅したと見るべきだろう。
「ソーシア監督は中盤戦以降、『投手・大谷』が先発する日は指名打者制を使わず、そのまま打席に立たせるビジョンを立てていました。エンゼルスは左の長距離ヒッターがいません。大谷が先発する日の前日、翌日は右バッターばかりの打線になってしまうので」(特派記者)
この発表の前々日(6日)、大谷はアクシデントで途中降板している。その時は単に右手のマメが潰れただけだったが、前兆はあったという。
「大谷は試合前のブルペンではカーブを多投して肩を作るタイプ。なのに、その日はほとんど真っ直ぐしか投げませんでした。すでに違和感があったんでしょう」(関係者)
そもそも、指名打者制のア・リーグにおいて、ソーシア監督がリアル二刀流を検討したのは、バッシングを避ける意味もあったらしい。「投手大谷」を勝敗のつかない場面で交代させると、「あのタイミングでの交代は!?」と地元紙に書かれ、調整でスタメンから外された日は「なぜ、代打で使わないんだ?」とファンも怒るからだ。
「肘の故障は登板過多が原因とされるのが、一般的です」(前出・特派記者)
6日のブルペンでの異変に気づいていれば、ソーシア監督は新たな批判をされずにすんだのだが…。
(スポーツライター・飯山満)