「大迫半端ないって」とホメ言葉で使われるならまだしも、それをモジッて「川島それはないって」と猛批判を浴びたのは、2試合連続で大失態したGK川島永嗣(35)だ。セネガル戦での“パンチングパス”について、サッカージャーナリストの六川亨氏が振り返る。
「西野体制になってから失点が続き、自信をなくしていました。だからといってGKを代えるにしても、控え選手は大舞台での経験不足で、川島を使わざるをえない状況です」
国際サッカー連盟(FIFA)の公式サイトでも〈コメディのようなミス〉と取り上げられ、世界中から嘲笑される中、川島に愛を注いだのは、「敵国」のセネガルだった。栗原氏が明かす。
「セネガルの記者に川島の失点につながったパンチングミスを聞いてみると、『日本戦ではセネガルのGKもミスで失点している。川島だけを不当に責めるのはかわいそうな部分がある』とフォローしていました」
さらに「身代わり」として川島を守ったのは、“天敵”と言われたMF本田圭佑(32)自身だった。
「セネガル戦後の囲み取材で、川島が叩かれている状況に突然触れて、『メディアの皆さんもね、そこの上げ下げを楽しむのは、僕だけにしておいてほしい』と擁護。翌日の練習前にも本田が川島とボール回しをする場面がありました。前回大会では川島が本田の胸ぐらをつかむ事態も起き、犬猿の仲と言われていましたが、たとえケンカ相手でもバカにされるのはこれ以上我慢ならなかったのでしょう」(スポーツ紙記者)
その本田は人知れず、若手のメンタルケアを行っている。今大会でFW浅野拓磨(23)は23名の代表に選ばれず、バックアップメンバーとしてチームに帯同。練習に参加しても試合には出られない悔しい立場だったのだが‥‥。
「練習後に浅野が走っていると、本田も並走して何やら声をかけていました。コロンビア戦の翌日には帰国が決まり、その試合で本田は1アシスト。試合後にピッチに下りてきた浅野に気づくと、本田から近寄っていき、浅野がゴールを決めたあとにする、両手の爪を立てた『ジャガーポーズ』で喜びを表現した。浅野も同じポーズで応えていました」(サッカーライター)
セネガル戦で点を取ったあと、FW岡崎慎司(32)と「敬礼」パフォーマンスを見せたのも、本田のアイデアだった。
「2人がそろう最後のW杯になるかもしれないので、ともに戦ってきた『証し』を残したかったようです」(サッカーライター)
ビッグマウス発言でよけいな誤解を招きやすいが、もしかしていい人なのかも。