実際、落合氏に次期監督として白羽の矢を立てようとしていた球団もあった。東北楽天ゴールデンイーグルスだ。シーズン途中にもかかわらず、成績不振で6月中旬に電撃辞任した前監督の梨田昌孝氏(64)と落合氏は同い年で旧知の間柄。体制引き継ぎの面でバトンを容易に受け渡しやすいだけでなく、落合氏は三木谷浩史会長(53)とも面識がある。低迷するチームを浮上させるためにも、実績ある監督の迎え入れは前向きに話が進むと思われていた。だが、すでに頓挫したというのだ。球団関係者が言う。
「三木谷会長と顔なじみの石井一久氏(44)がGM就任のオファーを受け、今オフからの着任が確実となったからです。石井氏は輝かしい経歴もさることながら、何より長いものに巻かれるタイプで、その“従順ぶり”を三木谷会長は気に入っている。結局、梨田前監督辞任の原因と言われる『フロントの現場介入』を落合監督は受け入れないでしょう。忠実な部下として会長ら幹部クラスの口出しを素直に受け入れられる石井GM。そして、その下では今のところ、“会長の操り人形”ともっぱらの平石洋介監督代行(38)が来季も続投と言われています」
それでは、落合氏を必要とする球団がないかといえば、なんと仰天情報にブチ当たった。すでに事実上のラブコールを送られているというのである。その相手こそ、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営する「株式会社スタートトゥデイ」の前澤友作社長(42)だった。17日にツイッターを通じて「プロ野球球団を持ちたいです」と発信し、物議を醸した渦中の人物である。
千葉・鎌ヶ谷市出身の前澤社長は人一倍“千葉愛”が強いようで、ロッテの本拠地・千葉マリンスタジアムのネーミングライツも16年から取得。「ZOZOマリンスタジアム」と名称を変更し、マリーンズファンに親しまれている。結果、前述のツイートは「ロッテ買収」を念頭に置いたものとして受け止められた。
前澤氏が「球団保有宣言」をした背景について、スポーツ紙デスクが語る。
「7月10日に、ロッテの前監督・伊東勤氏(55)が新聞の連載コラムで、在任期間中に補強を約束してもほごにされ、チーム力強化に投資する姿勢がなかった、とロッテ球団の批判をしました。それを受けて15日、元番記者がネット媒体に『ロッテはやはりZOZOに球団を売るべき』と記事にした。すると前澤氏が触発されたように、例のツイートをしたんです」
それでも、当のロッテは河合克美オーナー代行(65)がすぐさま、「球団を手放すことは一切考えていない」と強い口調で身売りを完全否定。
「確かに、前澤氏の“先走り”に対してフロントは総じて怒っていました。ところが選手たちは、オーナー代行の拒否発言にがっかり。金をかけない親会社は身売りしてくれればいいと願っているんです」(遊軍記者)