クライマックスシリーズ突入を前に、水面下ではすでにストーブリーグの炎がブスブスと燃え上がっていた。早くも来季に向けて始まった、攻防戦の舞台裏を速報しよう。
故障者続出にもかかわらず圧倒的な強さで2年ぶりのリーグ制覇を果たした、ソフトバンクの大型補強は今オフも止まらない。
今季途中には、メジャーのロースターから外れた元カブスの川嵜宗則(36)が復帰。元レッドソックス・松坂大輔(37)は3年で1イニングしか投げていないのに4年目の契約更新が決まった。それでも同球団の“日本人メジャーリーガーコレクション”には歯止めがかからず、なんと、カブスの上原浩治(42)、メッツの青木宣親(35)の獲得調査もスタートしているというのだ。
「この方針は孫正義オーナー(60)の信念なんです。メジャーで活躍している日本人プレーヤーは日本の宝。最高の条件で最後はソフトバンクのユニホームを着てもらい、その知識と技術をチームに伝えて、日本のファンに見てもらいたいという大きな考えでいるんです。『もうメジャーのお古はいらんでしょう』という声もありますが、孫オーナーはそんな雑音に耳を貸さず、松坂の復活さえサポートする考えでいる。その意向をくんだフロントサイドは、数年前から毎年オフ、川崎、上原、青木にオファーを出してきました。川崎の古巣復帰には成功しましたが、今年はまだ“もしかしたら”があるかもしれません。特に今シーズンはサファテ(36)、岩嵜翔(27)を酷使しただけに、ブルペン強化のために上原は何としても欲しい人材です」(ソフトバンクに詳しい球界OB)
上原は今季、世界一・カブスと契約したが、相次ぐ故障で9月上旬以降は投げていない。ポストシーズンに間に合うかも微妙で、新たな契約オファーも苦戦が予想されている。上原自身も昨年からブログで日本復帰を示唆しており、メジャーの他球団移籍とともに、凱旋帰国という選択肢も視野に入っている現状だ。
一方、8月にアストロズを解雇されてメッツと契約した青木も、元オリックス監督だった日本びいきのコリンズ監督が解任されると再契約は不透明となる。
「青木に関しては、ヤクルトも『帰ってくるならばウチへ』と声をかけ続けていて、青木も前向きだと言われる。ところが、ヤクルトは資金力に乏しく、ソフトバンクが条件をつり上げれば急転、ソフトバンク入りの可能性が高まると見られています」(前出・球界OB)
上原&青木のダブル凱旋帰国が実現すれば、ソフトバンク王国の隆盛は2018年も続きそうである。