後半戦に突入したプロ野球はグラウンドだけでなく、舞台裏もヒートアップしている。熱いシーズンの佳境はこれからだというのに、すでにストーブリーグさながらの話題が球界を席巻しているのである。
2017年1月限りで中日ドラゴンズのGMを退任して以来、静かだった落合博満氏(64)の動きが活発になっている。ここ最近になって突然、テレビ出演を繰り返しているのだ。7月14日放送の日本テレビ系「世界一受けたい授業」に“先生役”で登場すれば、翌15日放送のテレビ朝日系「ビートたけしのTVタックル」でもゲストコメンテーターとして熱弁をふるった。
GM時代にコストカッターとして猪突猛進するあまり、著しく低下した評価も、テレビ番組で持ち前の鋭い舌鋒で卓越した野球理論を口にすることでV字回復。ネット上でも「さすがは落合」などと称賛の書き込みが数多く散見される。球界復帰待望論が沸き起こりつつあるのだ。
球界関係者によれば、「この流れこそ落合サイドの思惑どおり」だという。
「落合氏は中日の監督を退任した11年オフ以降、講演活動で引っ張りだこでした。ところが、GM退任以降は仕事のオファーが減り、講演会も極端に減少していった。結果、球界復帰を果たしたいという本人の意欲が高まったんです」
そのためには球界の重鎮として存在感を示す必要があり、メディア出演を積極的に推し進めたというのだ。
「今年の春先から、『落合さんを使いませんか』という打診が広告代理店から入るようになったんです。とはいえ、そもそも落合氏のギャラは、番組出演や講演でオファーをかける際、『1本(100万円)が最低ライン』と言われるほど高額だった。そのため、呼ぶのをためらわれていたのですが、代理店が『ディスカウントしてもいいです』と持ちかけてきたんです。今では交渉しだいで半分どころか、3分の1程度でも出演をOKしてくれると言われています」(民放局関係者)
しかも受ける仕事は「野球限定」と徹底し、イメージ作りに万全を期しているという。
中日の監督を辞めてから実に6年半以上も時がたち、講演会でも球界復帰への未練を漂わせる意味深な言葉を時々発してきたが、やはり野球人としての血が騒いでしかたがないようだ。監督在任8年で全てAクラス入り、4度のリーグ優勝を成し遂げた名将は今オフ、どこかの球団から就任オファーがかかることを待ち望んでいる。