上野由岐子がノムラ監督になる?4年に一度、アジア最大のスポーツ祭典・第18回アジア大会で日本代表の旗手も務めたソフトボールの上野が5試合目の韓国戦で初登板を果たした。
世界選手権で頂点を逃した悔しさをぶつけるように4回を投げ、被安打1、奪三振7と貫祿を見せつけたが、対戦した韓国を始め、各国は「今回の上野はいつもと違う」と首を傾げていた。
「小さくなんですが、マウンドでボソボソッと何かを呟くんです。先の世界選手権でもそんなシーンが見られました」(取材記者)
上野は「自分に喝を入れている」と話していたが、日本語が通じない対戦国は「何を言っているのだろう?」と混乱していた。
「世界選手権・決勝戦でアメリカに敗れたのは、上野に往年のスピードがなくなったからです。日本ソフトの課題は若手投手の底上げです」(前出・取材記者)
上野は38歳で東京五輪を戦うことになる。しかし、「上野が代表入りするのと、そうではないのとではチームの士気が違う」との声は絶えず、“上野の復調”がなければ、東京五輪での金メダル獲得は成し得ないだろう。
ささやき戦術と言えば、野村克也氏の現役時代が思い出される。サインの交換時にボソボソッとつぶやき、対戦打者の集中力を奪い、その戦術は、V9時代の巨人も苦しめられたほどだ。上野は意識していないようだが、この「ノムラ戦術」、確実に投球の幅を広げたようである。
(スポーツライター・飯山満)