今年3月末にNHKを退局し、フリーとなった有働由美子アナ。全国的な知名度を誇るとあって民放各局が躍起になって獲得合戦を繰り広げ、日本テレビが「NEWS ZERO」のキャスターという絶好のポジションを用意することで射止めたとされている。
「有働アナはジャーナリスト転身を口にするなど報道番組を志望しており、それに日本テレビが応えた形です。日テレ側でも、その地味さゆえに『NEWS ZERO』で最大の弱点だった村尾信尚キャスターを降板させるためには、業界、視聴者双方に説得力のある後任が必要でした。その点で有働アナなら全国津々浦々まで抜群の知名度を誇り、好感度の高さも世間の知るところ。まさに相思相愛のキャスター就任だと言えるでしょう」(テレビ業界関係者)
日テレ側から三顧の礼で迎え入れられた有働アナ。しかし業界内には彼女の実力が「過剰評価」だとして、疑問符を投げかける声も少なくないという。
「彼女の知名度を高めたのはあくまで情報番組『あさイチ』での活躍であり、報道番組での印象は薄いのが実情。『ニュース10』では2004~2006年の2年間にわたってメインキャスターを務め、ニューヨーク支局にも勤務していましたが、その程度の経験で『取材キャリアが積みあがる』ことにはならないのが現実です。『ニュース10』にしても、NHKの取材力で集めた情報を伝える役目がメインでしたが、彼女が自分に本格的な取材キャリアがあると勘違いしていたら相当痛いことになるでしょう」(前出・テレビ業界関係者)
しかも民放への移籍により、有働がストレスを感じる恐れもあるというのだ。
「国内のメディアで最大級の取材網を持つNHKは、予算も潤沢。BSのちょっとした番組でも民放では考えられないほどの予算をかけて作っていたりします。それに比べると民放トップの日本テレビと言えども予算には限りがあり、NHK流に慣れきった有働が『こんな程度の取材しかできないの!?』とのストレスを抱く可能性は否定できません。しかもその不満を口にしようものなら『NHK出身だからとお高くとまっている』と、制作スタッフから総スカンを食らってしまうかもしれませんね」(前出・テレビ業界関係者)
ジャーナリスト転身への第一歩となる「ZERO」キャスター就任だが、決して有働の想像通りに話が進むとは限らないのかもしれない。
(浦山信一)