お笑いコンビ・千原兄弟の千原せいじが8月30日放送の「ひるキュン!」(TOKYO MX)に出演し、現在の芸能界を取り巻く環境が「人生最大のストレス」だと述べている。
今やタレントにも私生活における厳しいモラルやマナー、誠実な振る舞いが求められる時代となり、不貞行為などを含む不祥事を起こしてしまえば、すぐにキャリア存続の危機にまで瀕してしまうのが現状だ。せいじは昨今の芸能界に対する“要求の高さ”について、「そもそも(自分は)学校にもロクに行ってないから芸人になったんですよ」と切り出すと、続けて「やっと吉本興業で飯を食えるようになったのに、今はちゃんとせなと思って、これが人生最大のストレス。やれ“時間通りに来い”だとか、やれ“こんな発言はするな”とか」と話し、制約が多すぎる現状を嘆いた。
さらに、「そもそもルールなんて守られへんから高校時代も停学8回なってますねん。それを何とか持ち前の明るさで乗り切ってきたのに」「“テレビに出てんねんからちゃんとせな”って言われんねんけど、“いやいや、ちゃんとでけへんからテレビに出る仕事にしたんや”って言いたい。何にもできないからここにいるんだよ、ボクは」などと力説し、芸能界を選んだ経緯を説明している。
「芸能人による不祥事などが発覚した際などには、ネット上でも『タレントだったら何しても許されんのか!』や『どうせ芸能人は一般人と違って不祥事を起こしてもすぐに復帰できる』といった旨の書き込みがなされ、それらの反応からは一様に“タレント”という職業をどこか特権の持ち主として捉えているフシがあります。しかし、せいじの今回の主張は逆の見方で“一般人が当たり前にできている事ができないからタレントになった”という表現です。ある意味でみずからの人生を自虐気味に振り返ったせいじの説明には『なるほど、確かにそうかもしれない』『この人が言うと説得力あるな』との賛同が集まった一方で『スゴい開き直りだ。ルールは守らなきゃいけない』『常識が無いことと、尖ってることは別問題』という声も集まっています」(テレビ誌ライター)
賛否が真っ二つに分かれてしまったせいじの主張だが、高額なギャラを受け取っているプロの仕事である以上、いつまでも若かりし日の価値観を引っ張り続けることは虫が良すぎるという声があるのも理解できる。
かつては横山やすしや立川談志といった破天荒な振る舞いでたびたび物議を醸す芸人も存在したが、やはり今のご時世ではそのようなタイプのタレントは肩身の狭い思いをしてしまうのかもしれない。
(木村慎吾)