10月9日にプロ入り表明の会見を開く予定の金足農業の吉田輝星。これにより25日のプロ野球ドラフト会議では、今夏の甲子園を沸かし日本列島に金農フィーバーに巻き起こしたスーパースター候補の争奪戦が始まる。
吉田がプロ入りするならば「一位でいく」と明言していた巨人のほか、指名が有力な球団とは‥‥。
まずは12球団最強の“獅子おどし”打線でパ・リーグを制した西武が挙げられる。ここ10年のドラフトをみても、2013年の森友哉以外、すべて投手が一位指名。さらに14年の高橋光成、16年の今井達也と甲子園の好投手を指名する傾向も。しかも今季は優勝したとはいえ、投手陣はリーグ最多の失点、最低防御率と崩壊中だ。投手としての完成度が高い吉田指名は必然だろう。
同じくパ・リーグ最下位の楽天も一位指名が有力。新GMに元メジャーリーガーの石井一久氏を招聘しチーム再建を託した。石井GMはすでにスカウト会議にも出席し、東北・秋田出身の金足農・吉田がドラフト1位候補であることを確認。「12球団で12人しか選ばれない1位候補の一人という評価。素晴らしい選手。ぜひ東北でプレーしていただければとすごく思う。こればっかりはご縁なんで。(秋田から)通過して東京へ行っちゃうかもしれない。何とか仙台で降りていただきたいなと思います」とラブコールまで送った。
そして昨年のドラフトで7球団競合の末、清宮幸太郎を引き当てた日本ハムだ。8月に行われたスカウト会議で大渕スカウト部長が「球団として非常に能力が高い選手だなと思います」とコメント。球団内では特Aの評価だという。日ハムのドラフトの方針といえば、競合しようが断られようが「今年ナンバーワン選手を指名」するというもの。その中で04年ダルビッシュ有、07年中田翔、10年斎藤佑樹、12年大谷翔平、17年清宮幸太郎を獲得してきた実績もある。
最後に吉田本人が「行きたい」と語っていた巨人。鹿取前GMは一位指名を明言していたが、高橋監督の辞任とともに解任されたことから、いったん白紙に戻ったことは確か。
しかし逆にこの高橋監督の解任劇などのゴタゴタ、負のイメージを払拭してくれるのはスター性、話題性ともに抜群の吉田しかいないだろう。是が非でも欲しいというのが本音のはずだ。
ともあれ、日本列島に金足フィーバーを巻き起こした超高校級右腕のプロ入り表明は、12球団のドラフト戦略に影響を及ぼすこと必至。25日のドラフトが俄然、盛り上がってきたのは間違いない。