巨人はやっぱり、吉田輝星投手を1位指名すべきだ──。ドラフト会議直前、そんな声が出始めた。
「東京五輪が開催される2020年、プロ野球はその期間中、ペナントレースを中断させます。新国立競技場に近い神宮球場がその間、使用できなくなる問題もあって、同年のプロ野球は地方巡業が例年以上に多くなる予定です」(球界関係者)
神宮球場を本拠地とするヤクルト球団のダメージは相当なものだが、同球場は大学のリーグ戦、社会人、高校野球の試合も行われる。東京ドームもアマチュア球界に協力し、神宮球場を使えない期間のフォローをするつもりだ。
しかし、そうなると、巨人も例年以上の地方巡業をこなさなければならない。地方球場の客席は少なく、交通アクセスも良くない。年間の観客動員数が激減するのは必至だが、それを食い止めるためにも、「夏の甲子園で全国人気となった吉田を獲るべき」との声がチーム内部からも出始めたのだ。
「吉田には二面的な魅力がある。フィールディングの巧さは玄人受けするし、球速のすごさは素人にもわかります。精神面の強さは甲子園で立証済み」(前出・球界関係者)
大阪桐蔭の根尾昂内野手を推す理由は、「坂本勇人が元気なうちに後継者を」ということに尽きる。だが、巨人の現内野陣に割って入るにはまだ時間が掛かる。最終判断は原辰徳監督が下すそうだが、観客減に歯止めを切に願う営業サイドの声が届くかどうか…。
(スポーツライター・飯山満)