今年4月に発覚した前財務事務次官ら官僚によるハラスメント問題を受け、約2カ月後に政府はハラスメント防止の緊急対策を決定。中央省庁の幹部職員に研修の受講を義務づけたり、相談窓口の設置を検討するなど、さまざまな取り組みを始めている。が、「そもそも襟を正さないといけないのは永田町のハラスメントだ」と怒りをブチまけるのは、関東地方に事務所を構え、大臣経験もある議員の女性秘書だ。
「手癖の悪いことで有名な議員から、ある時、シティホテルの部屋に呼び出されました。何事かと思って急いで駆けつけると、『御飯食べない?』と言われたんです。そのうち今度は、『オイルマッサージをやってくれ』と急に裸になって、ベッドにうつ伏せになって‥‥」
女性秘書がやんわり断っていると、あげくの果てには「俺の愛人になれ」と詰め寄られたという。だが、似た者同士が集まっているのか、永田町の「伝統」なのかはわからないが、別の大物代議士の秘書になったら、さらなる悲劇が待っていた。
「西麻布の高級焼き肉店の個室に連れていかれた時、隣に座るように命じられました。そのうちボディタッチが激しくなり、キスをしようとしてきたので断ったら、翌日からパワハラが始まりました。土日も休みなく議員の地元に行かされ、罵詈雑言も日常茶飯事。別の秘書も同じ被害にあっていて、急に議員会館の廊下に飛び出し、『このままここで働いていたら死んでしまう!』と大声で叫んで辞めていった人もいました」(女性秘書)
秘書仲間たちの間では、あまりにもひどいセクハラ議員の一覧をまとめた「危険議員リスト」が存在していた。そこに名前が載っている、現職の野党議員事務所の内情を知る国会関係者はこう語る。
「女性秘書が同僚の男性秘書と議員宿舎に呼ばれ、一緒に食事をしたんです。ところが、食事を食べ終えたあたりから、その議員は男性秘書に『お前、そろそろ時間じゃないの?』と帰るように促す。女性秘書はそのたびに同僚に帰らないでと目で合図。どうにかやり過ごして同僚秘書と帰ったそうですが、議員から電話がかかってきて、『忘れ物をしているから、取りに戻ってきな』と言われたんだと。『ありません』と答えたら引き下がったのですが、後日、『今度は2人で寿司を食べに行こう~』とノリノリで誘われた。もうセクハラ議員だらけで、バカバカしいかぎりですよ」
秘書のブラック業務は永田町の常識。国会議員こそ「働き方改革」が必要だと思うのだが‥‥。