テリー そういう硬派な青年が、どうしてイケメンを決めるコンテストに応募することになったの。
原田 高校を卒業した頃、渋谷でスカウトされたんですが、その事務所が応募したんです。あんまり人前に出るのは好きじゃなかったんですが、マネージャーに無理やり連れて行かれて、どうしても逃げられなくて‥‥、結果として準グランプリをいただいたんですが。
テリー 積極的でなくても準優勝ってすごいよ。賞を獲って何か変わったところはあった?
原田 いえ、獲ってからもしばらくは大きな仕事もなかったですし、本格的にドラマデビューしたのは、その2年後ですから。
テリー それでも10年後には「水戸黄門」の助さん役になるんだから、立派なものだよね。あの役は宝物みたいなものでしょう。
原田 はい、本当にありがたかったですね。やはり国民的な人気を誇るドラマですから、幅広い層の方に自分を知っていただく機会になりました。常に再放送もされていますから、地方へ旅番組のロケに行った時も皆さん、僕の顔を覚えてくれていて。特にお年寄りの方は、今でも助さんのイメージが強いみたいですね。
テリー 高校の頃から不良をバットで退治していたから、悪人を退治する役にハマったんだろうな(笑)。でもさ、子供の頃からプロレス三昧だし、役者さんだから常に体は鍛えているとは思うけど、この年齢でこの筋肉はすごすぎるよ。やっぱりジムとかに通っちゃっているの。
原田 テリーさん、僕はジムじゃなくて、公園でトレーニングしているんです。
テリー ええっ、どういうこと?
原田 僕、浦和に10年ぐらい住んでいて、家のすぐ目の前が公園なんですよ。だから、遊具のうんていで懸垂をしたり、ブランコの前の柵に手をかけて腕立てをしたりしているんです。
テリー あァ、いるいる、そういう怪しいオヤジ。原田さんはまだ男前だからいいけど、俺、そんなヤツが公園にいたら、絶対近づかないよ。
原田 そうですね、言われてみれば、警察の方に2回ぐらい職務質問されたことがありました(笑)。
テリー でしょう、当たり前だよ(笑)。
原田 その公園、夜になるとよくヤンキーのたまり場になるんです。暴走族というほどじゃないんですが、禁止されているバイクで乗り入れてきたりして、うるさいんですよ。
テリー まずいね、原田さんの正義感がうずくんじゃないですか。
原田 ええ、何度か威嚇には行きましたけれど、かみさんが「もうやめてくれ」と。家の目の前だから、もし復讐でもされたら怖いからって言うんですよ。
テリー そりゃ、普通はそうだよね。
原田 だから最近は、諭すように話しかける方針に変えました。
テリー え、結局、公園には行っちゃっているんだ!
原田 ええ。正面から「僕も渋谷で遊んでた人間だから、夜中にたまりたい気持ちはわかる。でも、おまわりさんが来たら、キミたちも面倒くさいだろう? 迷惑にならないように、住宅地じゃない公園へ行ったらどう?」みたいな感じで話すんです。
テリー そんな感じで大丈夫なんですか。
原田 帰ってくれますよ。だって、何十人もいるところに男が一人でズカズカ入ってきたら、やっぱり向こうも怖いんですよ。
テリー すごいな、原田さん、リアル助さんだよ。