今季からアメリカに練習拠点を移したフィギュアスケートの本田真凜選手。GPシリーズのアメリカ大会では思うような結果を出せず、成績は8位にとどまった。9月に日本の英字メディアの取材を受けたラファエル・アルトゥニアンコーチも、自分のやり方を身につけてもらうには2年は必要だとコメントしており、まだ指導の成果が現れてくるのはこれからのことだろう。
そんな矢先、アルトゥニアンコーチが本田選手について言及した記事がネットニュースにあがり、ファンの間で疑問の声が上がっている。
「アルトゥニアンコーチが、本田選手についてその才能を褒め、まだ持っている能力の30%くらいしか使っていないとしたうえで、練習姿勢について触れたのです。ジャンプの跳び方や振り付け、スケーティングの動きなどの技術は練習で同じことを正確に何度も繰り返して身につくものなのに、本田選手にはその姿勢が欠けており、一貫性や不変性がないというものでした。さらに、本田選手が勝つためには、スタミナをつけ、体をいい状態に保ち、プログラムの細部に気を配ること、練習メニューをきちんとこなすことが大切だと言ったのです。内容自体は昨年、濱田美栄コーチがメディアに『練習嫌い』を暴露して話題となった本田選手への苦言と同じような内容なのですが、問題は発言時期です。本田選手のGPシリーズのフランス大会出場を前に言うことでしょうか。ファンの間では、そんな疑問を持つ声が出ているんです」(スポーツライター)
本田選手の次の試合は11月23日に始まるGPシリーズ最終戦のフランス大会。確かに試合前の大事な時期に、コーチが選手への苦言を公表する必要があるのだろうか。
「この発言は、濱田コーチの暴露と同じように見えて、まったく違います。濱田コーチは長い間、本田選手を指導してきて信頼関係もあり、どうしても言葉が本人に届かないからあえてメディアで発言したのでしょう。対して、アルトゥニアンコーチとは師弟関係になってまだ半年。指導方法が確立していない状況です。まずすべきは本人と十分に話し合い、どうすれば本田選手を導けるか探ることが第一です。師弟の信頼関係も確立しているかわからない中、ネガティブに取れる情報を出すのはいかがなものでしょうか。本田選手との今後の信頼関係にも響きかねない問題です」(前出・スポーツライター)
9月には本田選手について、「まずはGPファイナルと世界選手権日本代表が目標」と語っていたアルトゥニアンコーチ。アメリカ大会8位で目標が叶わなくなった自身の指導力不足の言い訳として、本田選手を貶めているのでは──そんなうがった見方までしてしまいそうになるのだ。
(芝公子)